富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-10-16

十月十六日(金)晩に予定されてゐた打合せドタキャンとなり昏刻に帰宅。ドライマティーニ一酌し出かけようとマンションのエレベータに乗つたら二杯目のマティーニがまだ飲み干してゐなかつたこと思ひ出し何だか勿体ないので陋宅に戻つて飲み干してから西湾河。太安樓でZ嬢と待ち合はせ。Z嬢が来る前に基記水電工程で牛雑の串を頬張らうと思へば今日は屋台出してをらず一区劃隣の角で営むこれまた行列のできる串の屋台に牛丸串をば頬張る。独得の濃いタレで屋台の周囲は立ち食ひの客の串から垂れるタレでベト/\。太安樓の入り口の一つだから屋台なのに掃除人をば一人雇ひ地面をモップで拭くなど忙しい。Z嬢来て二記海鮮で夕餉。本当に愛想とサーヴィスの良い店。サンミゲルの麦酒飲んだのは食肆に啤酒小姐がゐればせめてもの協力でその啤酒小姐の売る麦酒を飲むから、で健気に働く啤酒小姐の態に考へさせられること少なからず。親にとつて娘になつて欲しくない職業の最たるものが啤酒小姐と云ふ。酒巴女郎(ホステス)よか軽い仕事のやうだが結局は酒巴なら閉ぢた中、不特定多数に見られぬが巷の食肆ではピチ/\のウェアに短い丈のスカートで愛想振りまきながら卓から卓へと「サンミゲルは如何?」と勧めてまはる態が恥づかしい。それもうらぶれた娘なら「さもありなむ」と思ふが、今晩遭遇のサンミゲル小姐など清楚で態度も真面目、健気さに職業に貴賤なし、とはゐへ「どうして、また……」と思はざるを不得。今晩は夏も過ぎそろそろ鍋かしら、と羊腩煲を頬張る。美味。メニューに「老友鬼鬼」とあるが「酒の肴に」つて何なのかしら、これ。太安樓の果物屋電気屋の猫を愛でる。明記甜店。綿々冰といふ台湾のアイスクリームを刀削したやうなデザートが香港でも人気で明記にはアタシの好物のドリアンの綿々冰あり。生のドリアンもたつぷり。
▼今ではすつかり淘汰されてしまつたブラウザのNetscapeだがNetscapeのNavigatorがマーク=アンドリーセン氏らにより開発発表されてから十五周年の由(一九九四年十月十三日)。当時、アタシは香港科技大のHK Supernetといふ名称だつたか香港初の一般公開用のネットワークで(まだ商業レベルでPCCWがNetvigatorなど始める以前だつたが)Mosaicをばあれこれ苦労した挙句ダウンロードして夜中に初めてブラウザが開けた時のあの喜び。

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