富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-10-14

十月十四日(水)八月末のノートブックの破滅で凡その復旧終はつたが気づいたら日本のみづほ銀行口座のネットバンキングのお客様番号なるものがわからなくなつてをり日本以外の金融機関ならネット上での本人確認で客番やパスワードなどどうにか再入手可能だが日本だからみづほ銀行は案の定、ホットラインに電話すると客番再発行申請書を口座の登録住所にお送りしますので書類に自署で必要事項をご記入の上、登録印鑑で捺印いたゞき返送いたゞければ二、三週間で出来上がります、と説明あり。百年はかゝらず、どうにか生前にはネットバンキングが使へさう。書類は自署で記入といつても自署の照合もないのだから、結局は登録の印鑑さへ押してあれば良いわけで、この銀行のこのセキュリティの慎重さが実はもつとも危ふいもの、といふこと。日本らしひ大いなる矛盾を感じる。早晩に銅鑼湾。華生書店。何の変哲もない昔からある文具店だが銅鑼湾で路面で店を構へるのだから立派。たかだかカッターだがNTカッターのA-300GRなるカッター愛用してたが、つい鞄に入れたまゝ先

週末の飛行機搭乗。羽田空港の手荷物検査で刃物の所持をば指摘され発覚。なぜ往路に香港空港で検査通り抜けたのか、は此処では問ふまい。いづれにせよ空港で廃毀処分。アトになつてふと思つたが替へ刃式カッターの場合、刃の部分だけの廃毀ぢやダメだつたのかしら。でその購入。糖街の榮記粉麺。何年ぶりか、ッて榮記がまだWindsor Houseのビル裏の狭い路地で露店だつた頃に食べて以来だから十数年ぶりかしら。牛雑の麺。車仔麺でかなり繁昌し今では肆を構へるに至る。が店を切り盛りする伯母ちやんらの潮語での符帳のやりとりは昔のまゝ。ちよつと食べたりず、こちらも十年ぶりくらゐで丹麥餅店の熱狗を頬張る。昔はHK$4.5くらゐだつた気がするが今はHK$7也。
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▼中国で温家寶首相などさかんに中国社会の「和諧」をば説くが陶傑さんが蘋果日報の随筆(六日)で「小学課室」を書いてゐる。「世界の和諧」なんてものがそもそもあるのかしら。当然そんなものはない。人がゐる場所には競争があり競争があれば衝突がある。小学校一年生の教室を見れば「和諧」なんてないことは明らか。小学校の教室で教師がいつたん問題を出せば子どもらは答へのわかる子から次々と挙手して答へを言ひたいと盛んにアッピールする。教師が自分を指してご明答なら子どもは名誉と満足を得る。熟練の教師はそんな教室で答へもわからず手も挙げぬ子どもに注意を払ふが救ふのも難しい。競争があり衝突があり泣き笑ひがある。致し方ないが、その和諧のない社会の中でこそ独立の人格と天才が生まれると思へば世界が和諧しないことにも一利あるのでは、と陶傑さん。新疆自治区ウルムチでの七月の騒動の判決で第一審はウイグル人六人に死刑判決の由。
▼翻譯及漫畫名家張同先生於上月十八日離世。《信報》創刊之日,張先生即以阿五筆名書寫〈啡話〉專欄,自此風雨無間,而且往往超前交稿多篇,令編輯無缺稿之憂,一晃三十六年。本報讀者同仁多年來拜讀雅言,得益匪淺,對張先生離去,誠感痛惜。茲刊出其公子撰寫張先生生平簡紀乙篇,以表敬念!と信報で阿五先生追悼。

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