富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-10-01

十月朔日(木)昨夕の大雨で空も乾き晴れ間みえる。国慶節。中共建国六十周年。朝のニュースは北京での午前三時から七時間後のための!国慶祝賀パレードの準備に鳩まる軍人や学生の様子をひつきりなしに流す。香港の朝八時の国慶国旗掲揚式と祝賀会は司法司司長が主催は行政長官筆頭に訪京が為。午前十時からの大祝賀。北京之秋。見事な青空に天高き秋の雲。大気汚染のひどい北京で「この青空はないだらう」と驚くほど。できすぎ、と思へるが北京奥林匹克運動会開会式の演出ならまだしも、さすがに中国共産党とて消雨ロケット弾打ち上げ雨雲は散らせても青空広がる快晴にまではできない、しない、と思ひたいが。でも国家の体面のためには何でもありだし。中央電視台の中継眺めてゐるとカメラによつて空の青さが微妙に違ふ。でも午前十時の式典で東から軍の行進が西に進むと思ふと東空は逆光だし西の空は青く映るだらう。カメラの性能も違ふし。少しは色をいぢつてゐるかしら。それにしても大気汚染がないのはさすが権現様•毛澤東のご利益。世界最大のスターリン主義的な全体主義国家像を見せつけられた感あり。午前十時といふ時間がちよつと中途半端な気がするが北京標準時をとるとはひへハバロフスクに近きアムール河岸と西域のカシュガルでは四時間近い時差が実質的にあるわけで、どう考へても西域の異民族の国民がちやんと起きてから国家祭典をお見せしやう、といふ配慮もあらうか。とろろで日本政府からの代表は誰? 小泉三世とか……まさか。香港の山車の装飾お粗末(翌日の報道によれば十年前の方がまだマシ、と)。結局、昼近くまで中継を見ちまふ。昼過ぎZ嬢と北角。繼園街のあたり漫歩。青蔵牛肉麺といふ麺屋に羊肉の刀削麺を食す。国慶節の慶祝日にわざ/\青海西蔵チベット族が経営する食肆を選んだのではなく西域の麺文化に惚れ込んだ香港人青年の経営。市場で食材購ひ帰宅。午後は時流に合はせtwitter開設したくらいでアトは何もせず過ごす。ジントニック二杯飲んだか。競馬は帰宅途中に今日のメインレースの國慶盃だけEgyprian Raに蔡明紹(M Chadwick)君が騎乗で単勝一点買ひで応援したら見事一著。蔡明紹君、今季五開催日の36レースですでに六勝上げ(今日は二勝)入賞は21回と驚異的に順調で目下、最多勝騎手。晩に炒めた野菜など肴に焼酎飲み中国建国六十周年で(が理由かどうかは別に)赤飯。本当に赤豆で煮汁出した自然の赤飯。晩の天安門での祝賀祭典中継をテレビで眺める。

製作費達 330萬元、代表香港特區的花車昨在北京的中共建政 60周年慶典巡遊上亮相,劣評如潮。政府新聞處圖片

視覺藝術家認為, 10年前的這輛香港花車主題較為突出。

▼昨晩、温家寶首相は四十年後に新中国が成立百周年迎へる曉には富強民主文明と和諧の社会主義現代化国家となり世界の東方に屹立してゐようと宣はれる。勿論、温爺爺は前方の途は長く険しく謙虚、謹慎が大切で党や官僚の腐敗の一掃、経済と政治体制の改革、社会正義と公平の実現が必須、と加へたが。これに対し海外に客居の王丹は「「國慶的治安措施,其實就可以反射出中共的真實內心,這,就是恐懼」と指摘。北京では気球や凧を上げる、鳩を放つことすら禁じられ、六十年国慶は鶏が羽ばたき犬がるだけでも惶恐不安。王丹君が中学の頃に見た国慶は街角に重装備の軍人もゐなければ鳩を放つことも禁じられず。「一個崛起的大國,一個似乎可以千秋萬代維持政權穩定的政府,又不是在戰爭狀態,卻如此如臨大敵,僅々是面對自己的人民,他們到底在怕什麼?」と嘆く。魏京生氏は米国で「我々には二つの選択しかない。労働者と社会の底辺にゐる市民をどう扶くのか、不可避とすら思へる内戦(国内混乱)に至つてしまふのか」と。人権と言論の自由を改善すべき、と魏京生。
▼信報は昨日の社説で中国の経済改革の成果と経済大国化は評価されても法治、理性、世界の普遍的価値観(人権や自由など)でまだまだ劣る点があり、政治や社会問題など本来は法律条例に基づき公平に解決されるべきもので、それは暴力や蜂起、革命などに委ねられるものでないはずだが、国家指導者が和諧や隠定を叫ばうとも、その和諧や隠定が弾圧や管制、拘束などを解決手段にしたりするやうでは国民の間の矛盾や政府と国民の衝突も最善の解決策もなく、それでは国家は永らく安泰など難しいだらう、と指摘。社説に続き林行止専欄も、国力誇示も良いが冷静に考へると中国が大国といふには脆いいくつかの事実を、と挙げる。まづ中国の経済成長が基本的に膨大な労働力の集約をインフラとしてをり産出品の価値の上昇やハイテクの発明やITでの新しいシステムやネットワークの創造などと異なり大部分が人民の血と汗の結晶であること。経済成長とはいへ中国のGDPが毎年8%上昇するとして十年後にやうやく米国の貧窮レベルにやうやく追ひつくくらゐ。大国と名乗るのなら国際事務での資金的供給など役割(支出)も増えるのも必然。また戦後の米国の覇権をみれば当然、軍事的に米国傘下にある国が米国製の軍事製品や航空機を購入するなど莫大な金額の流通があり、多くの国際的企業が米国を基盤としてゐる。さうした世界的大企業が中国が覇権国家となつた時に中国から何を学ばうか、中国は「官商癒著」以外に何を提供できるか。米国の覇権は軍事や経済ばかりか映画、流行音楽から娯楽まで文化的覇権もあり、さうした全てのシステムから産業まで合はせて大国なり覇権国家足り得る。それを考へると中国が国力誇示するには余りにも宿題が多からう、と。
▼文革のさなか宋慶齢(孫文夫人)が毛澤東に送つたといふ書状の一節(信報より)。劉少奇ら政府指導者が一夜にして反革命の政敵とされることへの疑念。
一夜天下來,一些和我一起工作的同事都變成走資派、反黨集團、野心家、牛鬼蛇神。劉少奇主席在黨中央工作了三、四十年,今天會是叛徒、內奸!我不相信,一個叛徒內奸當了七年的國家主席,現在憲法還有效嗎?怎麼可以亂抓人、亂鬥人、逼死人?這種無法無天的情況,自己傷害自己的同志、人民,是罪行。

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