富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-09-21

九月二十一日(月)早晩にいつもだとドライマティーニ二杯なのだが今日は日暮れにヴィクトリアハーバー沿ひを小一時間走る。アタシは同僚と仕事帰りに一杯、とか自分から誰かを誘つて飲食といふ習慣がない。で陋宅で独酌となるが、せめて鳥渡は走らうか、と思つて独り、ハルキ=ムラカミのやう(笑)。西湾河あたり走り回つてゐたり塾の帰りらしき日本人の子ども少なからず。元気なのは良いが香港の常識的には子どもだけで遊んでゐたり塾から帰つてくるなんて「大人の不在」が異様。誘拐とか変質者とか香港は他の大都市に比べ安全だが普通は保護者がとても心配。日本人の方が「香港は安全」に慣れきつてしまつて。筲箕灣の譚公廟に近い、名前が嫌らしいが愛秩序湾海浜花園つて公園でもう暗くなつてから日本人の子ども数人がハンドボールで遊んでゐる。どう考へても西湾河からハーバー沿ひを歩いてこゝまで来るのだらう。慥かにこゝなら人気がないのでいつも空いてゐよう、が「もう暗いし早く帰つたはうがいゝよ」なんて声をかへると逆に自宅で「日本人の変なオヂサンに声をかけられた」なんて子どもが親に云ふかもしれないのが当世。怖い/\。帰宅して無水鍋で初秋の野菜蒸して食す。箱買ひのWitber Hillsのシャルドネ最後の一本。NHKで三話連続の白洲次郎のドラマのずいぶん前に放映の第一話再放送を見る。三話目の制作?放映?が遅れやうやく今となつたので第一、二話もまた放映の由。占領期に米国=白人と堂々と渡り合ふ白洲と妻•正子の「強さ」に今のご時世なにを英雄視なのか、もう三十年も前だかNHKで「明治の群像」だか当時の強い日本の政治家や明石大将ら軍人を描いたドラマもあつたが、強い日本人に憧れるのは弱さの裏返しなのかしら。アタシはドラマに描かれ想像されるほど次郎さんが英雄とも思へななければ正子さんが久が原のT君が云ふ通り芸術にそれほどの目利きだとも思へず。
プロ野球のテレビニュース見てゐて思つたが優勝も間近の巨人軍の原監督は民主党の鳩山四世的。指導者としての力倆とかよくわからぬが結果的にそれなりの結果になつてゐる。それに対して好調な楽天の野村監督は小沢一郎君的。最も嫌はれる角栄的な組織論のやうで旧態依然とした指導者が、だが新しい脆弱な組織で何をすれば強くなるか、がわかつてゐる。アタシにとつては郷里より懐かしい仙台で本当なら楽天の応援をしたいところ。
▼銀行やクレジット会社など金融会社より個人融資の誘ひ多し。ダブついた資金での商売熱心。取引先の銀行は手紙一本でHK$192.6千まで無担保で月利0.19%の低金利で融資いたします、と。徠卡のM9とノクチルックスでも買ひたひ(笑)。こんな低金利でいつたいどれくらゐ利鞘あるのかしら?と怪訝に思へるが所得税対象の融資の際に銀行関係者から聞いた話では、こんな低金利では当然、商売にならず十人に一人でも返済が滞ればペナルティでぐつと高くなる金利での利鞘が目的の由。

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