富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-09-08

九月八日(火)諸事に忙殺され晩に至る。帰宅してお浄めに沐浴すると冷水が少し肌にひんやり。盛夏は水道水すらマンションの外壁這ふ水道管の中でぬるま湯となるのだから、それに比べれば初秋かしら。チゲ鍋と真露。なんだか非常識な時代が始まりさうな予感、で数年ぶりに岩波書店の『世界』定期購読依頼する。旭屋書店保守系だから、ぢやなからうが『世界』の調達をかつて断られ今回はNippon IPS系の日本からの直送サイトに註文。船便だと発売日から三週間くらゐ遅れるだらうが定価+370円は『世界』なんてマイナー雑誌だと思へば書店までの往復の交通費よか安からう。
▼奇想天外なことを見せるのが芝居の一つの重要な要素だとしたら多少の奇想天外では驚かぬし芝居の広告など見て「あらまぁ……」といつも感心させられるのは美輪明宏先生くらゐであつたりする。が正月の帝劇の「革命」はジャニー喜多川先生作•構成•演出の女優生活75年•森光子主演の「人間革命」……ぢやない、それは池田先生、森光子の「人生革命」(昼の部)と夜の部の滝沢秀明君の「滝沢革命」の二本立て。昼は昼で凄さうだが、夜も「女男のLOVEを革命と言ふ」つてキャッチコピーが「男女」なら「だんじよ」と読むし「男性と女性の」と解すが「女男」だと「をんなをとこ」で所謂「をかま」か、と思つてしまひ、いや、「女と男」で、つまり女が前に出るのは(唯一の女性の出演者として)森光子刀自がタッキーはじめジャニーズの少年ら對手に革命的Loveをば演じるのかつ!と驚きは驚きを増幅させるが、ポスター見ると「森光子は「人生革命」のみ出演となります」と断り書きあり。ジャニーズだけの「女男の革命的Love」つてゐつたひ何なのよ。まつたくよくわからぬがお堀の向かふの宮城で天子様もそりや驚かれるかしら。
民主党の鳩山三世による温室効果瓦斯25%削減実現目標。かつて旧・日本社会党非武装中立論が非現実的と嗤はれたが社会党非武装中立よりアタシは民主党の25%削減の方が現実的に難しいのでは?と思へてならず。非武装中立は理念的でも「やる」といへば出来ること。やつてしまつた結果、国防が疎かになるだけ。場合によつては世界の賞賛を得て国際平和に貢献も可。25%削減は国際的貢献は大きいが現実的な難しさは「やる」の一言で(それにどんなリスクがあらふと)出来る非武装中立とはワケが違ふ。非武装中立は「友愛」の精神で出来る鴨しれぬが25%削減はカルト的な情熱が必要かしら。
▼築地のH君の愛すべき自民党への将来予想。津島派の後継への額賀福志郎決定で却つて石破茂が総裁の本命か。今の雰囲気では派閥領袖や長老は不在。石破なら「中道右派」といふことで路線曖昧にしたまゝ極右もリベラルもネオリベもなんとなく乗れる候補か。但し曖昧なまゝで来年の参議院選挙迎へられず。半年のうちには路線選択が必要だが大聯立もありえる情況ならともかく、この議席差ではリベラル路線を選択する余地なし。とひつて新自由主義に走ると地方で戦へず前回の参議院選の二の舞結。結局「保守色を鮮明に」と、なし崩し的に極右路線をとるのかしら。勿論、極右に醇化してそれほどの得票が得られる情況でもなし。次の参議院でも自民党は負け、一方「みんなの党」などのネオリベ勢力は都市部ではそこそこ議席をとる。参議院で負けると自民党は自然消滅。リベラル派(加藤紘一園田博之後藤田正純ら)は民主党へ、ネオリベ派(中川秀直小池百合子ら)は橋下徹渡辺喜美らと新党結成、その残りが極右の小政党として(今の社民党のやうに)10議席くらひを維持し続ける、つて感じかしら。その場合、ネオリベ新党には民主党からも前原ら合流する勢力あり、中民左派としての民主党ネオリベ新党といふ二大政党化か。逆にさうならなゐず曖昧な路線を抱へたまゝなんとなく自民党が存続してしまふと何度選挙をやつても100議席がそこらの勢力を超えることはできず「55年体制」の「1対 1/2」政党制に。民主党が「中道左派」としての地位を確立するなら瑞典のごとき中道左派による永久政権も悪くないなからう、が現状ではさうはならず民主党が「新自民党」的に唯一の包括政党になつたり。それでも橋下党首率ゐるネオリベ新党が権力を握るよりは100倍マシかあ、とH君。さう思ふと、やつぱり自民党は再建されないで、なんとなくこのまゝあり続けるのが日本にとつてはベターかしら、と話は最初に戻る。

富柏村サイト www.fookpaktsuen.com
試験運用中サイト http://web.me.com/fookpaktsuen/
富柏村写真画像 http://www.flickr.com/photos/48431806@N00/