富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-09-09

九月九日(水)〇九年の九月九日の九のゾロ目で冗談のやうに徠卡からM9発売。M8の発売当時から徠卡がM型でデジタルを出すのならどうして満を持してフルサイズにしないのか、と云はれ「どうせフルサイズが数年以内に出るだらうから」と買へ控へもあり。このM9の登場でM10の発売はそんな数年内といふことはなからうが。アタシがM10に望むのはズバリ、液晶モニタのないデジタルM型。写真を撮るとすぐモニタで撮れ具合をば確認するあの仕草がハシタナイ。ゆゑにモニタがなく、やはりチヨートク先生のおつしやるとほり巻き上げレバーの不在が悲しい。でEpsonR-D1シリーズのやうに巻き上げレバーをつける。これならM10は「買ひ」だらう。早晩に中環。FCCのラウンジでハイボール二杯と白葡萄酒一杯。ラウンジが冷凍庫のやうに寒いので冷房抑へてもうら。扇子使つてゐたら冷房強めるので給仕に「冷房を強めてくれるな」と請ふ。アタシがシャツの上に夏物のジャケット著てゐるのだから暑いはずなからう。扇子用ゐるのは身嗜みのやうなものなのが若い人に通じない。シャツといへばけふはチヨートク先生に褒めていたゞいた白の開襟シャツで夏物のジャケットの上にシャツの襟を出してゐたのだが裕次郎の時代ならイカしたのだらうが、どうも誰かの服のセンスに似てゐる……と思ひ我ながら訝しく思つたら麻生三世と中川二世のファッションだよ、当世ぢや。あまり嬉しからず。今晩は炮台山在住のM夫妻にお誘ひいたゞきZ嬢と四人で Arbuthnot RdのLa Kasbahなる食肆に摩洛哥料理食す。アタシが先に肆に着き給仕に「お飲物は?」と問はれ「シェリーを」と註文すると「チェリーはない」と言はれ、桜桃酒か?もないならシェリー酒はなからうが「麦酒と葡萄酒以外で何があるの?」と訪ねればポート酒があるといふ。アタシは食前にシェリー酒は飲めない。どうも給仕と通じぬことばかり。ところでArbuthnot RdだがArbuthnotはGeorge Arbuthnotなる19世紀の香港殖民府の財務官の名の由。食後にFCCのラウンジに食後酒愉しむ。

▼築地のH君より自民党のこと(続き)。結局何が問題なのかといへば「中道右派」といふのが、結集軸にならぬこと。欧州的にえば右派の議会勢力とは歴史的には所詮「左派」に対抗する形で形成されたのは仏蘭西革命後の歴史見れば明か。尤も日本とて第一回帝国議会の八割は民党=自由民権派で政府支持の吏党は二割に満たない極小勢力。議会が本来「人民の代表」であるとすればデフォルトで左派が多数派なのは自然。「左派に対抗、反対」が自我の中道右派に独自の政治綱領なるものあらうか。左派に対抗して富裕者や資本の利益を擁護するのが右派の存在理由とすれば普通選挙制で右派が多数派を占めるといふのは本来的にアクロバティックな政治技術の成果。非・左派が右派で、えうするに社民(中道左派)の右にあるのが中道右派とすると、民主党中道左派中道右派を包摂してしまつてゐるので自民党が対抗軸を立てようとすると「極右がネオリベ」しかなく、しかしそれでは二大政党の一翼を担ふほどの勢力にはなれないのがジレンマ。米国の共和党の場合はレーガンとかブッシュとか特殊なカリスマ?指導者を戴くことで凌いできたが指導者が払底すると現況はかなり悲惨。小泉後の自民党と相似だと思ふと「自民党はこんなところまで米国追従か」とたゞ/\嗤ふばかり。

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