富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

九月六日(日)午前中会合あり末席を汚す。昼に会合ご参加の面々とJardine's Lookoutのワイン&ダインで昼餉。卓を同じくせし方々と白葡萄酒(南アフリカのFootprintのシャルドネ08年)飲む。午後に公邸に戻る。一昨日から修復中のMacBook AirがOS10.5で復元されたのだが動きこそすれファイルは開かぬわ、ネットはつながらぬわ、で完全にイカレちまつてゐる。手許のiPodはちやんとネットに繋がるのだから明らかにウイルスの感染したのをご丁寧に復元したやうなもの。木乃伊が生き返つた如し。不幸中の幸ひはiPhotoは開くことで三千枚ほどの画像をいつたんiPodに落とし更にCD-Rに焼く。夕餉は季節の野菜を蒸篭で蒸して粗塩だけちよつとつけて頬張りチーズと野菜のパイ。Z嬢と白葡萄酒(新紐蘭のWither Hillsのシャルドネ06年)一本半も飲んだのは冷房もつけず暑いから。MacBookはとにかく画像だけ救済出来、殊に生前の先学の貴重な画像が何十枚も手許に残つたこと善しとしてHDをば全面的に洗滌しOS10.6を新たに入れる作業が三更まで続く。

▼日本カメラ(九月号)の赤瀬川原平さんの「チマタのカタチ」の連載。皆既月蝕に合はせた「天文ガイド」のツアーで上海から杭州湾沖の舟山群島は大洋山(といふ小島)に渡つた赤瀬川さんはシグマの4.5mm/F2.8のデジカメ対応の円形魚眼レンズ借用したのは銀塩フィルムが空港での赤外線を無疵で通り抜けるのが難しいゆゑ。で皆既日蝕悪天候に祟られたのは知つての通り。可笑しい話は皆既日蝕の前日に島の頂上まで上つてみた原平先生が見たものは頂の大岩にすでに「日全食最佳観測點」と彫り込まれてゐた由。北京オリムピックでの体裁・体面優先主義と同じ。日蝕はきれいにこそ見えなかつたが悪天候のおかげ?で皆既の瞬間は周囲が真つ暗になつたこと。だが近くの工場現場の証明が暗闇に反応して明るく照り皆既月蝕の瞬間に花火が勇ましく何発も打ち上げられ爆竹がなり驚くやら呆れるやら、でそれを「中国だなぁ」と感慨に耽り、その全てを「大雑把力」と呼んでしまふところがさすがこの原平先生の凄さ。老人力も見事だつたが「大雑把力」は中国の全てを言ひ包める、これほどの表現は他になからう。

富柏村サイト www.fookpaktsuen.com
富柏村写真画像 http://www.flickr.com/photos/48431806@N00/

日本カメラ 2009年 09月号 [雑誌]

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