富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-09-03

九月三日(木)麻生内閣メールマガジンは本日が最後。小泉三世が始め好評で安倍三世への首相交代では発行元より「このまゝ受信を継続するか?」と問ひ合はせも来たが、その後の福田二世、麻生三世では断りもなく送りつけられ読むにも値せぬつまらなさ。民主党政権となると鳩山三世にメールマガジンつて引き継がれるのかしら。晩に佐敦。南京街とBattery街角の新明記なる巷の鍋屋。中文大U氏、大圍M氏に誘はれ初老の男六、七名が鳩まり豚骨湯で鍋を煮て食す。香港で「放題」なる言葉、もと/\日本語だが最近は香港で定着といふ話題になり「水着」(泳衣)とかまう古典的だが「写真」(照片)などもあり。「風俗」といふ言葉はもと/\漢語だが日本で従来の意味に加へ「風俗=エロ」となりエロい意味が漢語圏に逆輸入される。「放尿PLAY」なる言葉も香港の新聞エロ風俗欄にあつたが、これも日本からの輸入文化の一つ。「飲尿」とかも普及してゐるのかしら(言葉として、の話だが)。それにしても「放尿プレイ」とか言葉としてどうも下品、どうしても歌舞伎町だのブクロ、阿倍野の印象強し。これが京都とかなら祇園お茶屋系の風俗だと(そんなものがあるのか知らないが)祇園の梅酒の解禁のやうに「旦那さん、お小水、あがりはりますか?」で「そやな、ほな鳥渡、いただこか」とか上品になるのかしら、と話す。帰りに銅鑼湾に寄りバーSに独酌。徹底的に冷やしたグラス(オールドファッション)にベルモットを慎重にリンスして、ベルモットをあけて冷凍庫に凍つたジンを注ぐアタシのレシピのドライマティーニ成田一徹氏の「TOTHEBAR 日本のBAR74選」朝日文庫(一徹氏のサイン入り)借用。バーYにハイボール一杯のみ帰宅。
▼総選挙(おほしえらみのかはらけなげ)につき文章兄より文が届く。
葉月晦日衆議院(むらがりあげつらふはほどの)の参議ども撰む投票(かはらけなげ)すとて、みなひと驚き騒げり。総理(おほきまうちぎみ)の真名(漢字)は、え訓(よ)まづ、絵巻・御伽草子を車の尻への脇息にまで堆(うづたか)う積み置きて貪(むさぼ)り眺めちらすを、ひとびと怪しと看つ。法華の俄加持(にはかかぢ)も験(げん)なかりしにや、仏罰を受く。民こそ、我が訴へを聞き分けざりしゆゑなりけれ、などとなほ言ひ抗(あらが)ひ募るもさもし。美しき日本(ひのもと)とやらん、今ゐづか。
鶴(たづ)ならぬ鳩の齢(よわひ)を幸(さきは)へて亀井に雪(すゝ)ぐ小泉の閼伽(あくゎ)  茶ゲバラ愚詠
▼芸人某の合成麻薬絡みの騒ぎ(こちら)。何か極道でしくじつた輩が、良くない仲間に無盡をして貰つたのを頼りに随徳寺、てな具合で、久が原のT君がこれは「切られ与三」の蝙蝠の安五郎、と。慥かに。
「モシ、わつちの友達が喧嘩をして、大きな怪我をしました。そこでマア、わつちらが寄つて世話をして、湯治にでも遣らうと思ひますが、御覧なさる通りの始末だから、御近所を少しづつ、お願ひ申しまするつもりで」と蝙蝠の安五郎が横櫛お富を強請りに掛かる。蝙蝠安とへば四代目松助で、この名人松助が十五代目の与三郎、六代目梅幸のお富とならぶ「源氏店」を、さすがにこれはアタシも見てゐないのが残念。ところで山村耕花の描いた「四世尾上松助の蝙蝠安」などスミソニアン協会のムラー=コレクションが江戸東京博物館で展示あり(麗しき大正新版画展)。ほかに巴水や深水など垂涎。

富柏村サイト www.fookpaktsuen.com
富柏村写真画像 http://www.flickr.com/photos/48431806@N00/

to the Bar 日本のBAR 74選

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