富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-08-12

八月十二日(木)朝五時に起き夜明けとともに邦に滞在で初めて青空を見る。悪天候続きずつと開襟シャツやプルオーバーシャツに膝丈のズボンに濡れても良いデッキシューズばかりで踝丈のズボンも革靴もとんだ荷厄介。連日續く芸人Sの覚醒剤椿事の報道にテレビをつける気にもならず鳥居坂の旅寓にて荷造りと雑用。生粋の東京人たる長徳先生にプラハから「うらやましい東京滞在」と云はれこそばゆいかぎり。チェックアウトだけ済ませ旅荷旅寓に預け大江戸線で新宿。禁断のマップカメラ再訪し一昨日購入がノクトンのレンズフード購入。1.2カメラ圓也。タクシ自動車雇ひ内藤町から外苑西通りを抜け麻布霞町に往き「ふるけん」で畏友W君と昼餉。この食肆は昨晩訪れし麻布宮村町のバーHご亭主のお勧め。あつさりと美味な昼餉で「西麻布でこのお値段?」と驚くばかり。復たタクシ自動車雇ひ鳥居坂の旅寓に寄り旅荷積み「もうお盆で渋滞もないでせうが」と運転手、飯倉から芝、愛宕を抜け東京駅に滑り込む。東京ドライヴ。午後二時の成田エクスプレスに乗車して成田。Z嬢と待ち合はせ夕方のキャセイパシフィック航空で香港に戻る。機中で徳永健元『ブダペストの古本屋』読了。香港入境での健康情況申請書は各人一枚づゝ要るはずがスッチーは「ご家族で一枚で結構です」と誤解して配り歩き(もう何ヶ月もだらう)かなりの搭乗者がいゝ迷惑かうむる。香港の空港は大雨。帰宅して旅荷解き片づけ済ます。
▼昨日アタシも参観の艾未未展(六本木山荘森美術館)だがご本人は昨年の四川大地震で学校倒潰で亡くなりし学生の被害者簿の作成をば呼びかけ、それだけで当局刺戟せし反体制活動。四川省成都で逮捕拘束されたる人権運動家の裁判で被告側証人として証言に成都訪れし艾未未氏は公安当局に拘禁の上、右目蓋殴打され裁判の審議終了後に解放されたる由(蘋果日報十三日の報道)。長徳先生がブログで書かれてゐるが知人の東京在住で地震にも慣れた猶太の方が「なに、地震はそのまゝ通り過ぎる自然現象だ。怖くなんてない。それよりホロコーストの方がよほど怖い。あれは人間がやつてゐるから」と言はれたさう。四川地震とて自然現象より建物倒潰など二次災害や当局の対応など人為こそ怖い。

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