富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-07-03

七月三日(金)早晩にFCCで白葡萄酒一杯飲み夕餉済ませ市大会堂。梆子戲といふ、梆子は竹や木の板を叩き拍子とりながら歌ひ踊る民間芸能ありアタシはこれまで見たことなく今晩それで北京市河北梆子劇團の公演を観る。さういふ素樸な芸能としての河北の梆子も謂はばドサ回りの芝居居団が清末に北京、天津に流れ着き常設の小屋で専門化するに従ひ内容も洗煉されるわけで今晩の演目「竇娥冤」が京戯と梆子戯ではどう違ふのか興味深いところ。で幕が開くとたしかに梆子が拍子をとることも多いが京劇より良くも悪くもドラマ仕立ての演出で、こゝぞといふ場面が新宿コマの演歌歌手の歌謡ショーのやう。そのセンスの悪さが民間芝居の流れといへば流れか。たゞ歌劇としての完成度ではなかなか。ヒロインの王洪玲(竇娥)と父(竇天章)役の王英會といふ梆子ではトップクラスの役者が河北の梆子戯独得の高低のある腔で見事に歌ひきる。歌舞伎でいへば前進座的な改良といふか。
▼昨日の新聞の一面トップで驚いたのは「こゝまで凋落か」の星島日報。香港紙が好き嫌ひは別にして朔日の市民デモ大きく扱ふのに対して大公報など親中紙が祝賀一色なのは当然。そのなか星島だけがなぜか「返還10周年向えるマカオの人気スポット特集」(笑)。星島日報、身の置き場もなし。

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