七月朔日（水）香港特区成立紀念日。朝のRTHK Channel-3の音樂番組でDouglas氏がいつもの甘い声で“Today, Bank Holiday morning...”と何度か言ふを聞きDouglas氏らしい修辞と勝手に感心す。「祝日」と云ふ「祝ふ」ことの半ば強制に比べ英語のBank Holidayと云ふ表現が so cool! だらう。湾仔の金紫荊広場で朝、文革曽ら香港政府要人、中聯弁、在港開放軍代表に在港外交団ら鳩り国旗、区旗掲揚あり。テレビ中継で見れば「暑さでうんざり」の表情の者多きなか恍惚の表情で五星紅旗見上げ微笑む文革曽の表情が一人薄気味悪し。続いて展覧会議中心にて紀念式典。会場の遠き外では梁「長毛」國雄君ら五星紅旗燃やし棺かつぎ強硬突入しようとして警察ともみ合ひかしら。で午前中は掃桿埔の香港大球場で紀念表演あり。深圳か東莞の胡散臭い民族歌謡ショーのやうな演出に「香港もすつかり中国やなぁ」と妙な感心する他なし。また官製の祝賀行列も大球場から湾仔の修頓球場まで。主催者側発表は四万人だが。さらに「泛民主化デモ反対」のデモ行進もあり五十人が細々と。おざなり、お仕着せ、政府御用の催事が終はつたところで午後おそくは真打ち登場で2003年以来すつかり香港の＜市民政治祭り＞と化した七一遊行の出番。午後三時にヴィクトリア公園に白シャツで聚合でKing's Roadをお練りで中環の香港政府総部までの市民デモ。例年の相変はらづの香港特区政府の愚策自治、普選要求に加へ天安門事件廿年、世界経済海嘯など今年はadditional topics多く香港警察は十万人参加見込まれる、と異例の予報。民主化要求から最低賃銀保障、福祉、亜細亜のマイノリティの差別反対、法輪功、同性愛……とビュフェの食べ放題情態。これはこれで良いんぢやないかしら。政治と選挙は大いに楽しむべき。今日は午前中の政府行事と午後遅くの反体制デモに加へ沙田では今季の最終競馬開催もあり。それなりの社会的立場にあり競馬馬も有し良心の呵責に耐へかねた民主派、なんて御仁がゐたら今日はさぞや忙しいことだらう。今年の主なスローガンは行政長官「曽蔭權下台」や「不要當奴」（奴隷になるな）で明らかに文革曽の北京中央に対する低姿勢と香港での「我代表香港」的な傲慢さへの不満。わかりやすいが基本法23条立法、普選実施といつた十万人以上をデモに集めるやうな動きにはならず。主催者側発表で7.8萬人、警察側発表で2.8萬人の参加。アタシの見た感じではヴィクトリア公園に三萬人、途中でのデモ参加を含め四萬人といふ感じかしら。酷暑猛々し。市民デモ行進の一時間くらい前には目抜き通り片側三車線が歩行者天国情態。意外と車道歩く人をらず。アタシが銅鑼湾から湾仔に向けてそこを歩くと15分くらひもかゝらず、こんなに近いのか、と驚く。警官もかなり出てはゐるが殆どが拳銃を携へぬ丸腰で車道を歩いてゐても「はい、歩道に下がつて」とアタシらを規制するでもなく、むしろ交通整理や熱中症で倒れた市民の介護などが忙しい。湾仔の修頓球場あたりでデモ隊の先頭の到著が午後五時。ヴィクトリア公園出発が三時半だから難儀なこと。地下鉄で鰂魚涌。Ｚ嬢と待ち合はせ将軍澳行きのミニバス乗車。香島から九龍、隧道抜け先づ将軍澳、寶琳と団地の中をぐる／＼まわり坑口で終点の将軍澳病院へ。始発からHK$12で乗り応へ充分なコース。坑口村のLardos Steak Houseに食す。豪州の幼牛のテンダーロイン。豪州はRosemount EstateのCab Sauv 07年。往路と同じミニバスで西湾河。明記糖水で「榴槤蛋白」食す。HK$34と「おそろしく高級」なデザートは榴槤（ドリアン）と蛋白（豆腐花）を練乳のやうなソースで和へたもの。当たり前だがドリアン好きには垂涎、ドリアン嫌ひには反吐が出さうなほど不味からう。
▼中国政府が今日から国内で発売されるパソコンに搭載を義務づけようとしたGreen Dam-Youth Escort（绿坝·花季护航）。青少年に有害なポルノや暴力から若者を守るのが目的の由。だが誰にも明白は反政府言論の封じ込み。それにしても“Green Dam-Youth Escort”つてのも大した名称で“Green Dam”は緑壩と直訳にある、が「青少年を護る」を「花季護航」とはこれまた花鳥風月さすが漢語の世界、で若い開花の時季を護航とはまことにありがたいかぎり（嗤）。かなり強烈な抵抗が国内外であつた、と今日のNT Times紙伝へるが先日紹介の中国々内での関係機関へのネット上の攻撃などありやなしや。ところでGreen Damはヰンドウズ版だけ、でMacとLinuxは対応してゐないのも不公平（笑）。このGreen Damにはソフト上の欠陥の伝へられるなか中国でPCのかなりのシェア占める台湾のAcerはいちはやくGreen Damの搭載を発表。シェア第二位のHewlett-Packardはだんまりを決め込み、SonyはGreen DamのCDを製品に同梱するが「ソフトをインストールした上での不具合は免責」と謳ふさうな。各社各様の対応。
富柏村サイト http://www.fookpaktsuen.com/
富柏村写真画像 http://www.flickr.com/photos/48431806@N00/
