富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-06-27

六月廿七日(土)さすがに先週からの晩のお座敷と外食続きに草臥れた。颱風は去つてゆくが甚雨幾度となく日暮れて雨ひどくなり深更には雷雨。昼前に少しでも運動しよう、とジムで走る。昼にZ嬢と湾仔。北方餃子源に餃子を食す。雨のなかHappy Valley競馬場併設の賽馬博物館。此処で石硤尾で閉鎖となつた工廠大廈の遺留品など集め戦後の香港軽工業の小さな展示あり。香港ジョッキークラブが資金提供しその工廠大廈を取り壊さず創意藝術中心なる施設に改造したゆゑ競馬博物館でその展示あり。銅鑼湾に出て珈琲飲みZ嬢と別れ書店いくつか眺め帰宅。机に凭り雑事済まし晩は蕎麦を茹で食す。今日くらゐ酒を抜くつもりが飲み残しの葡萄酒あり。三宅伸治仲井戸麗市のライブ評を朝日新聞で読む。忌野清志郎逝去のあと二人のギターと歌を東京にゐたらどれだけ聴きたいことか。それにしても二人とも中年にとつては理想的に恰好良いのはやはり好きなことをやり続けて良い年のとりかたをされたからなのだらう、がそれにしても羨ましい恰好よさ。ちやうど今日、そごふの旭屋書店でマガジンハウスの Oily Boy といふポパイ誌オマージュの中年オヤヂの雑誌を購ひ読んだ。ポパイ創刊から33年とは。当時のポパイ世代の若者はみんな中年オヤヂなのだが、この雑誌が「みんな「大きな少年」になつた」なんて言つてしまふ、この自分勝手(笑)。でもそれが許されるくらゐ世代的には高度経済成長とバブルで何の不自由もなく若い頃を過ごし、それなりに余裕ある中年になつてしまつた世代か(その対極にはホームレスや派遣労働といつた低所得のオヂサンたちとの格差があるのだが)。この雑誌の編輯部も往年の自分勝手が健在なのは、銀座菊水が喫煙具商なのに掟破りで売り続ける腕時計 SEALANE を「ドメスティックウォッチ」と紹介するやうなところ。ドメスティックウォッチつて何よ?と思つたがgoogleの検索にも引つかゝらない造語、精確にはドメスティック・ブランドの腕時計なのだらうが、やうするにたゞ「国内生産」のこと。それをドメスティックウォッチなんて呼ぶことで無理矢理「恰好良くする」のが田中康夫が見据ゑた80年代くらゐからの哀しさ、でしよう。

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富柏村写真画像 http://www.flickr.com/photos/48431806@N00/

オイリーボーイ 2009 summer 特集:気分はもう「夏」。 (マガジンハウスムック)

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