富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-12-27

十二月廿七日(土)曇。終日在宅。坐つてゐるのが最も辛く寝床に臥してゐても辛い。立つてゐるのがいちばん楽、といふこの「ぎつくり腰」。書室で棚に高さ合はせたノートブックを置き、企つたまゝ日剰を書いたりネットを見たりしてゐるのも我ながら気の毒。中環のArt Statements Gallery和蘭Erwin Olafの個展が今日で千秋楽。見逃すのが残念だが仕方ない。晩に普段は見ぬ大河ドラマだが『篤姫』総集編を見る。なんとも都合の良い幕末の歴史上の人物の総出演。沢田研二の還暦祝ひの『ジュリー祭り』から「サラリーマンネオ」年末特番まで見る。腰が痛いからテレビを見てゐるくらゐしかすることなし。少なくとも年末年始でNW9の不愉快なキャスターの尊顔拝しつまらないコメント聞かなくて良いだけ幸ひ。と言ひつつ新聞や雑誌も沢山読む。タイラー=ブリュレのMonocle誌もやうやくぢつくりと読む。マガジンハウスの『ブルータス』を英語にしただけ、といふ感じがしないでもなし。が少し政治的にするところがミソなのか。経済的には不干渉の自由市場にあり、政治的には個人の意志の独立と自由に選択できる個人主義……といふ信報でありFT紙であり田中康夫であり、同じ世界。晩にかなり腰痛がひどくなる。
▼信報財経月刊12月号。特集「改革開放三十年的中國巨變」は内容充実。殊に北京で数年拘束され今年釈放された海峡時報記者・程翔の「建国六十周年及び改革開放三十周年的反思」がよくまとめられてゐる。今年が改革開放三十年なら同時に北京西単の「民主の壁」からも三十年。来年は建国六十周年と同時に五四運動九十周年。西単の民主の壁での鄧小平への民望なければ鄧小平の復活はなかつたのに鄧小平は復活後にこの壁新聞取り締まり魏京生は十数年獄中にあり。五四運動の徳先生=democracy(陳独秀による)あつての中国共産党なのに中共がこの徳先生に警戒する。……と論を展開するが腰が痛いので要点をこれ以上ここに綴らず。この程翔氏も指摘してゐるが同じく郭益耀も「不可忘記毛沢東」で指摘してゐるのは1978年までの三十年=毛沢東の時代を混乱、迷走と語つて済ますのは簡単だが1978年からの急速な経済成長を可能にしたのは毛沢東時代のインフラ整備があつたからこそ、であり大躍進や文革など政治的混乱の中で当時の貧困なる中国がインフラ整備できたことを再評価すべき、と。

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