富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-12-20

十二月廿日(土)外に遊びたい青空。だがご執務。週末だと外からの電話もメールもないので仕事捗るのだが。それにしても我ながら不憫。いろ/\心労もあり塞ぐ気持ちを唯一和ませてくれるのは昨日どさくさで所謂「大人買ひ」したダンヒルの鞄。ライカ仕舞つても余裕。遅い午後に湾仔。春園街に入り何ともいえぬ午後の柔らかい陽射しに慌てて車を降りて引き返したら、もう日陰げ。折角のシャッターチャンス逃す。冬は光の動きが速い。せつかくカメラ持つてゐたのに。写真といへば某D.A.の事務所の社長の畏友K君がフォトテクニックデジタル誌の公募で佳作入選した由。ちやんと写真家に師事して修業してゐたとは。敬服。と、ふと日本カメラと朝日カメラの12月号、まだ書店で受け取つてないことに気づく。もう1月号発売も間近。そんなこと忘れるほど多忙だつたか。湾仔に遊び晩に中環。味付けがいかにも美心チェーンらしい湖南料理の某店。ランニングクラブのA氏送別会で末席を汚す。この食肆、開業当時U嬢に誘はれて来て以来。Z嬢と指折り数へれば16年前のこと。当時はこの窓からヴィクトリアハーバー一望で尖沙咀まで見渡せたもの。Amexのカードで25%割引になることに気づいたが「冬至から年末年始の繁忙期」で割引なしの由。二次会に誘はれたが昨晩から節制で後ろ髪引かれつゝ帰宅。
▼新聞にMark Felt, 'Deep Throat' of Watergate era, dies at 95と訃報あり。米国の水門事件も忘却の彼方だがDeep Throatと云はれると老いてもどうも小沢昭一的に「あちらの方」想像しちまふのはアタシも好事家ゆゑか。当時、ディープスロートと書かれてゐてサッパリ意味がわからずスロートがthroatと判りなるほどと合点したもの。米国の経典的作品も今にして思へば女優の秀でた芸あつてのもの。
▼かつての日本社会党の論客、上田哲氏逝去。享年八十歳。矢田部理らと並び党内左派、護憲派の雄。参院議員を2期務め衆院に転じ旧東京2区で5期連続当選が1993年に社会党の不人気で落選。小選挙区比例代表制の導入に反対し社会党離党し護憲新党あかつき結成し護憲勢力の結集模索しつゝ国政選挙に立候補続けたが落選のまゝ。今にしても思へば小選挙区比例代表制の導入こそ、本来臨終も近かつたはずの自民党を蘇生させ小泉改革を成功させた装置だと思へば細川内閣の意味不明な政治改革で、連立与党の立場ながらこの選挙制度に反対して造反した上田哲氏らの判断がいかに正しかつたか。

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