富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十一月十三日(木)晴。昨晩疲れ二更の内に就寝。今朝三時過ぎに目覚め五時頃より雑事済ます。朝の八時前に香港国際空港。東京への便は台北経由のCX450便としたのはキャセイパシフィック航空の新型キャビンのお試しのつもりだつたが先週末にご搭乗のZ嬢よりCクラスは「莢豌(そら)豆のやう」とコメントいただいてゐたのでチェックインの際に直行便へのフライト変更申し入れると504便が出た直後の548便なら「かなりお席に余裕がありますからゆつくり過ごしていただけます」と職員も機転が利く。ラウンジで軽く朝食済ませご搭乗。もうすつかり古ぼけたアジア短距離用のCクラスキャビンだが44席に10人ほど。豪州はMoon Mountainのシャルドネ07年。お食事では昼から久々にビフテキ。Peter Lehmann BarossaのCab Sau(05年)。二つ折で厚さ3インチ以上溜まつてゐた新聞まとめ読みするうちに成田着。両替せばUS$300が3万円にならず円高実感。エアポートバスの発車まで小一時間あり空港内のカフェに入る。店のwi-fiのネットワークが検出されたので客の使用の可否女給に尋ねたが
余:この店のネットワーク、使へるんですか?
女:ええ、使へます。
余:パスワードが設定されてますよね?
女:はい。パスワードがないと使へないんですよね。
余:パスワードは客に提供してゐない、んですね?。
女:はい。
余:だから「客は」使へない、つてことぢやないですか。
女:いへ、ワイヤレスは使へるんですけどパスワードがある人しか……
……とまるで会話にならず。実家方面へのエアポートバスは本数も少し増えバスを降りて歩いて3分で自宅に着くのが有り難い。利根川の大橋渡れば鹿島の宮の森の方、空に大きな月の見事な白影。左の車窓からはちやうど夕暮れで北浦の湖面に夕焼け空が映る。まるで江戸版画の世界。さういへば確か今月の満月が二十数年来で最大だとかZ嬢の話思ひ出す。それにしても見事な十五夜の月。ただ/\愛でる。自宅に荷物を置きアマゾンなど注文の書籍など整理。妹も戻り母と三人で鰻の館東條。鰻重。晩遅く妹に車で5分の大型銭湯に連れて行つてもらふ。
マカオではラスベガスの賭場集団Sans(金沙)の資金繰り悪化でコタイでの新カジノ施設建設工事が中断の由。コタイが荒城廃虚と化す日も遠くなし。ホテルカジノなど北京中央政府が買ひ上げ国内で自然災害など発生した際の住民の短期避難施設に利用は如何か。国費にて住民をマカオに避難させ「暫くの間ご休養ください」と。
▼先日の蘋果日報で「食街」開設が仕事の蔡瀾氏が香港新界天水圍の底上げに市中に大牌档(屋台街)を作つては如何か、と提案。それに対して劉健威氏が信報でこの案を否定もせぬが賛成もせぬ、と。大牌档は本来、自然発生の屋台街であり行政主導ではなからう、と。

富柏村サイト http://www.fookpaktsuen.com/
富柏村写真画像 http://www.flickr.com/photos/48431806@N00/