富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-10-01

十月朔日(水)国慶節。香港では午前八時より湾仔の金紫荊広場にて国旗掲揚&国歌吹奏あり続いて祝賀会。自称「政治家」文革曽・行政長官が周囲の誰にもまして元気に義勇軍らしく国歌歌ふ態よ……。午前中、裏山を走る。気温は摂氏廿五度。曇り空に風もあり香港にしては涼しく行山の人少なからず。最近、運動不足なのだが夏の間けっこう走ッた所為か少し気候良くなり山の上り坂も小走りしようか、フラットになればぐゐ/\と前に身体を推し出さうか、といふ体力もあり我ながら驚く。午後、カメラ携へ外出。湾仔に遊ぶ。椿事あり綴るに能はず。晩にテレビつけると国慶節祝賀で歌舞音曲の演目。会場に「文革曽」と董建華並び、まぁ愉快さうに演目眺める態よ。内地の地方党政府の党幹部と何ら変哲もなし。前任者にも劣らぬほど支持率低下の現任行政長官、陶傑さんの連載によれば北角にある左派系愛国中学ですら視察に訪れた際に学生から厳しい対応受けた由(今日の蘋果日報學生哥反曾」参照)。
▼日本カメラの10月号を読んでゐたらチョートク先生、こちらにも(アサヒカメラと同じ元ネタ)で夏の広州旅行について。アタシの予想はアサヒカメラが東莞のリコーのカメラ工場見学から復路だつたので他の雑誌に往路の記事か、と思へば、日本カメラでは香港から広州へ向ふ列車での話。「やつぱり!」とチョートク先生ファンのアタシは一瞬喜んだが、さすがチョートク先生は一枚も二枚も上手で、日本カメラでの話題は、と言へば中国のカメラ「海鴎」について。1982年に島尾伸三夫妻と香港に来たチョートク先生がPoor Man's Night Market(懐かしい……)の屋台で仕入れたのが、その「海鴎」カメラ。で今回それを持参して、四半世紀前の香港から広州に向ふ車窓からの眺めを思ひ出しながら。でチョートク先生は広州に向ふのだが日本カメラでの話題はここまで。で当然、広州に入つてから東莞に向ふ部分があるのだが、これはきつと他の連載に書かれてゐるのかしら。で更にチョートク先生らしいのはブログでは広州に持参のカメラは、と
リコーR8のチャージやーも発見されたので、G8を持参。他にサブとしてGRD2も持つ。他にはローライミニデジカメが市場篭に入っているから、計3台。かなりのプロ機材だなあ。
と紹介してゐる。日本カメラで記載ある通り本当は「海鴎」も持参してゐるのだが海鴎のことは日本カメラに書くので(だらう、たぶん)ブログには書かない、といふ、これが矜恃たるもの。本当に立派な姿勢。ところでチョートク先生が暫く前に昨年秋にブログでライカのステーブリー社長以下トップ3名様が六本木ヒルズ49階のチョートクオフィス訪問。当時の社長の話では「今度のフォトキナでは世界がびッくりすることが3つある」と聞いたチョートク先生、当のリー社長がすでに辞任してしまつたが、としつゝ「いい加減な刺激にはもはや興奮しないライカ人類を吃驚させる」3つが何か、と考へた結果がこれ。
その1はフルサイズのライカM8-2の登場。
その2はノクチルックスの新レンズ50ミリf0.90の登場。
その3はちょっと思いつかないが、ライカ社が再度どっかの巨大メーカーの傘下になること。
まさか「双眼鏡のラインナップの充実」とか「ライカマークの付いた、日本製デジカメの新製品」とか「ライカマークのついた高い日本製交換レンズの登場」程度でないことを祈るのみだ、と書かれてゐるが九月末に開催されたフォトキナでは、実際にライカM8.2が登場しノクチルックスも新型が登場。但しM8.2はフルサイズは登場せずマイナーチェンジに止まりノクチルックスもf0.95止まり。だが時代は確実にチヨートク先生の予言通りに動いてゐる、つてことはライカが再度どこかの巨大メーカー傘下もあり得るのかしら。個人的にはポスト=スティーブ・ジョブスのアップル社とライカはどうにか21世紀も残つて欲しいのだが買収でも北欧企業とか。中国資本だけは……鳥渡(笑)。印度企業はあり得る話かも。ナショナルトラストならぬユーザートラストのやうな形ですら良い、と思ふ。

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