農暦九月初一。朝晩少し涼しくなり早朝は陋宅も窓を開ければ風も心地良し。諸事忙殺され晩に至り夕食の時間も惜しみ湾仔の再興焼樓店にて叉焼飯。やッつけ飯でこれだけ上手いものが頬張れるのが香港の極み。この食肆の叉焼飯はHK$21、もし日本ならこれなら横浜の中華街で2,000円と言はれても「食べたいッ!」と思ふだらう。「外賣」の客もひつきりなし。客の「肥肉の叉焼を20ドルと豚足2つ、それに焼鵝の肝胆が3つと……」なんて細かい注文を受ける兄さんが板場に出す符丁が「肥叉廿蚊、両猪手、三個鵝肝!」といつた具体で実にこれが職人らしい気風の良さに聴き惚れる。二更に帰宅。疲弊甚だし。
▼紐育時報のEdward Wong記者の記事“Doubt Arises in Account of an Attack in China”が秀逸(29日にネット版に掲載あり香港の新聞掲載は翌30日)。北京五輪控えた新疆はカシュガルでの「イスラム教暴徒による」暴動騒ぎ、実は中国軍・公安の「やらせ」と。当時、旅行でカシュガルに滞在した目撃者の証言によれば
"It seemed that the policeman was fighting with another policeman,"
"A lot of confusion came when two gentlemen, it looked like they were military officers - they were wearing military uniforms, too - and it looked like they were hitting other military people on the ground with machetes,"
"That instantly confused us," he said. "All three of us were wondering: 'Why are they hitting other military people?"'
等々、制服姿の者が互ひに殴り合つてみせる場景とは……。でもこの報道に驚くより「やッぱり」と思つてしまふから。厳冬から四川地震までの天災や事故続き、でカシュガルのこの暴動騒ぎ、北京五輪に宇宙飛行と話題事欠かぬ中国、テロも起きぬどころか「やらせ」なら、今年の国慶節あたりこそ実は最も油断できない時期ぢゃないかしら。
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