富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

八月十一日(月)Z嬢に一年前の夏に差し上げた「象のババール」と「熊のプーさん」の、いづれも1945年くらゐの、前者はリトグラフで後者は初版本の絵本からの復刻印刷、一年もそのままだつたので額縁に入れようと早晩、中環はハリウッド街の懇意の額縁屋に持参。カラーシックス現像店でポジの現像出来受け取り。FCCで白葡萄酒二杯。帰宅してポジの画像をスライドのマウントに納め映写して愉しむ。冷房もつけず夜風。デジタルの時代にローテクなる写真観賞もこれ亦た酔狂。韮と豚肉の鍋。竹内好の「日本とアジア」ちくま学芸文庫より短編「日本人の中国観」読む。竹内ほどの考察に注意深い人でも「中国国民の総意」てな言葉を容易く用ゐてゐること。中国を知れば知るほど、それ以前に「国民の総意」なんてものは(近代国家が理念的価値として謳ふ場合以外に)存在せぬこと。

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