富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-07-11

七月十一日(金)連日の雨空。昨日は新界で朝だけで100mm超える大雨。各地で浸水。早朝に東京のFM局 J-WAVE の番組 Tokyo United に電話出演。話題は今日、全世界で一斉発売の iPhone G3 について。G2が発売され已に一年、今回の発売が初上陸といふ日本が異常な盛り上がりなのは当然。ところで一つ気になるのはApple社のサイトで気になるのが今日のiPhoneの世界一斉発売で使はれる「日本」表すロゴ。これぢや鬼太郎の目玉親父、のしかも結膜炎。白地の四方に日の丸赤く、が我が国の国旗。世界中の国旗がすべて丸にされてゐるのだから、とそれに従ふは良いとして、何が違和感か、といへば「日の丸」の部分に光がはひりshiningしてゐる事。保守反動右派の諸君はアップル社に対して、この意匠につき糾弾せぬのかしら。そのApple社や音響ではBose社の好調に比べ凋落著しきはBang & Olufsen社。80〜90年代にかけてB&O社のHi-Fiやスタイリッシュな電話機など一世を風靡。製品は渋谷のLoftとかで輝いてゐたもの。それが8日のFT紙の記事によれば経常利益も四半期で見ても今年1月期から半年で半減、株価も70%下落。液晶モニタなどハイエンド商品で売上げの伸び悩みは米国などの不景気か。他社でも洗練デザインが当たり前となりB&Oの個性が目立たぬ時代。陋宅では93年だつたかに「清水寺から飛び降りて」購入のB&Oの(現在の後継機でいへば)Beosound 3200にあたるものがまだ動いてゐる。購入当時はとても憧れてゐたが今では音の硬さが鳥渡、不満。で本日、私は今日も早晩に真直ぐ帰宅のつもりが帰宅途中で遭つた某氏とTaikoo PlaceのEast End酒場でエール一飲。帰宅してカレーライス食す。iPhoneの発売、NHKのNW9見てゐたら、東京でこれを入手の客曰く「これを持つていれば、なんでもできてしまう」と、まるでドラへもんの道具。渋谷で友だちとちよつと軽く一杯、なんて時に「ほら、この通り」と地図上に渋谷駅周辺の焼鳥屋が沢山マークされる。いとも簡単至極。嘉次郎監督が通人に美味い焼鳥屋の在り処を聞いた時代とは隔世の感あり。それにしてもNW9の低レベル、何もニュースでも「……にどう釈明するのでしょうか」「……に応えるため、事実の真相究明が急がれます」とこのあまりにベタな台詞、どうにかならぬものかしら。大分の教委での昇級疑惑でも北朝鮮問題でも全てが、これ。
ハンブルク在住の言論人・關愚謙氏、信報での一連の連載で西蔵問題がある程度収束したか、と思つたら今度は「西側マスコミはなぜ中国を嫌うのか」と欧米の反中観を取り上げ分析して見せる。この一年の言動は清水幾太郎的な転向を予感させるが、今回(昨日)の文章の最後は「我々中国は古来から忠孝仁愛、信義廉恥といった伝統的美徳で……」となんだか渡部昇一のやう。

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