富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-06-03

六月三日(火)不安定なる雨空の下、早晩に渣甸山の益新美食館。お食事でもと誘はれた六名の方に此の食肆で粤菜&葡萄酒にしませう、と逆指名。豪州のShow & Smithで開胃に上湯局蝦など頬張り二本目はCloudy Bayで中入後は赤でLos Vaocosを開栓して檸檬鶏や魚香茄子煲など食し未だ余力ありChâteauneuf-du-Papeの03年で琵琶鴨を食す。食事と葡萄酒の組み合はせは満足。だが問題はこの食肆の給仕らの仕事の素人ぶり。W支配人は最近余りお見受けせず肆を任される副経理はこの人が昔の銅鑼灣の肆でまだ見習ひ給仕の頃からの知己だが今ひとつ未熟な給仕の指導力は欠け、結果、指導を受けず客の厳しい叱咤もなき環境でぼさーつとした給仕多し。酒杯の交換から酒の注ぎ方(異なる酒を混ぜるなつ!)、食後の茶は供す前にまづ食べ終はつた食器の片づけを先に……といちいち指図せねばならず。で極めつけは食後のデザートで注文する前から紅豆の汁粉供され「まだ注文してをらぬ」と言ふと「サービスの品だからいいでせう」と流される。呆然。かつてこの食肆が鵝頸橋や時代広場にあつた当時は老練なる黒服の経理が四、五名をり熟客相手に貫録で応じ葡萄酒談義すらしてゐた頃が懐かしい。十数年で香港の食環境の、殊に給仕の非熟練ぶりは著しいものあり。飲食業はかなりの数の熟練者がマカオでの厚遇で釣られてしまひ香港は真つ当な人手が不足の由。そのやうな環境の中でやはり中環の鏞記であるとか、尖沙咀の金島燕窩などが敬服するほど立派な給仕ぶり貫くのが見事。
▼香港政府の副局長と政治秘書職新設で国籍ばかりか給与待遇まで秘匿する政府の姿勢に反発高まり実質的招集人たる行政長官弁公室主任の陳徳霖に非難の矛先が向く。陳徳霖は香港金融管理局副総裁やStandard Chartered Bankの香港要職など務めた金融界人士で、この主任職の前任者は曽俊華=現財政司長であるやうに、謂わば官房長官。それがやりたい放題で才力不明の烏合の衆を鳩めた「お友だちクラブ」では言葉もなし。

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