富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-06-04

陰暦五月初一。雨。新暦は六月四日で天安門事件から19年目。早晩に毎年夏にはフランスのシャモニーに遊ぶアルピニストO氏(深圳福永在住)と湾仔で待ち合はせPtororek商店で買物。O氏はトレイルランニングの靴、アタシは携帯用のヤッケだが久しく山にも踏み入れてをらず。買物のあと愛蘭酒場Delaney'sでギネスビールを2パイントづつ飲み四方山話。O氏の話はウイスキーの語源は蘇格蘭語のナントカで、と突然の蘊蓄が面白い。近い卓の英国老人の吸ふ紙巻き煙草が芳香。煙草は最近ちつとも吸はぬが芳香がとつても気になり尋ねると普通のダンヒルの赤箱。結局、吸ひ方なのだよな、と感服。
The Economist(5月31日号)の原油高特集で巻頭特集記事“Recoil”の指摘。
The first two oil shocks banished oil from power generation. How fitting if the third finished the job and began to free transport from oil's century-long monopoly.
原油価格は高騰し世界は霹靂としてゐるがかつての石油ショックのやうな危機感もないのが不思議。この記事の言ふやうにこれが第三の石油ショックとなつて起爆剤となることを祈る。もう一つ興味深い記事が日本のコーポレートガヴァナンスについての“Bring it on” といふ記事。日本企業の外国資本閉め出しについて日本は「日本が日本企業を守つて何が悪いのだ」と思つてゐるがエコノミスト誌は“Foreigners may complain most loudly about the isolation of Japanese companies, but everyone, especially the Japanese public, is a victim.”と述べる。だがこの感覚が私ら日本人にはまだ解らぬ。日本企業といふが日本が世界第二位の経済体でこれだけ世界的に商売してゐて「何が今更、日本企業」のはずなのだが。
http://www.economist.com/opinion/displaystory.cfm?story_id=11454989
http://www.economist.com/opinion/displaystory.cfm?story_id=11455075
チベット動乱平定後に政府側の安排でチベット訪問の外国人記者団。その記者らに涙ながらにチベット仏教界の窮境訴へた若い僧が同じ寺院で再びチベット訪問中の香港からの記者団の前に現れ「自分はまだ若く、自分の発言の影響力がわかならかつた」と前回の訴へにつき間違ひがあつたと反省の意を述べる。二ヶ月の「学習」「改造」の成果か。怖い、怖い。
▼米国総統選挙でオバマ(馬楽小浜)氏が民主党候補に。オバマ氏が04年の上院議員選挙でイリノイ州から立候補(当選)の際にカンパ(US$50)までして、06年6月から暫くこの日剰で「米国の理性Barack Obama氏(民主党上院議員)を米国総統に推しませう。」とキャンペーン張つたアタシとしては、まさかホントにオバマ氏が民主党候補にならうとは……驚きもあり。補足すればオバマ君を06年当時に「米国の知性」と言つたのは今でこそ珍しくないが当時、米国のイラク侵攻に懐疑的な姿勢示すのは民主党内でもまだ勇気の要ることでオバマ君が公然と疑問表明した正義に感動してのこと。04年の上院議員選挙の際の野球帽やTシヤツ、バッチなどいくつか持つてゐるのだがヤフオクとかに出してみようかしら。それにしてもオバマ君の“We are the children of future”だの“Our country owes our future”だのと言つた発言を聞くといつたい具体的には何がどうなるのかしら?と疑問もあり。米国大統領選での演説などこのテの超漠然未来志向型の演説が受けるのだらうが……。クリントン夫人退出で寧ろ多少安堵は共和党のマケイン候補で、ク夫人なら支持した民主党内の反オバマ票への期待。これでマケイン候補の必勝法は選挙戦で「イラク戦争は間違ひだつた」で「ブッシュ批判」(笑)。これをすれば間違ひなく当選のマケイン候補だらう。米国といふ国は若いので間違ひを認めて大人になることが尊ばれる。

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