富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-04-21

四月廿一日(月)晩にジムで一時間の有酸素運動。蘇曼殊の『断鴻零雁記』読む。
マカオの賭場産業について。マカオ労働人口の14%が直接、賭場産業に従事。そのうち3.2万人が賭場でもディーラーであるとか直接、賭事に関はる仕事。学歴は中卒でも英語か中国語(普通話)が話せればディーラーになれ、その収入は平均で月収13,266パタカ(約18.5万円)でマカオの平均賃金の1.7倍と高収入の由。
▼中国各地でのフランス系小売店(Carrefour)での不買運動や世界各地での中国系市民の北京五輪支持運動の激化。辛亥革命か五四運動の如し。中国政府は冷静な五輪成功支持など訴へるが、信報の社説曰く、中国の現体制下では(直接か間接か別として)官方の支持がなければ広範な民族情緒や排外運動の高揚は能はず、と。林行止専欄も社説に続けて、世界各地での北京五輪支持運動は、その主体が各地の華人ビジネスマンや留学生、駐在の中国政府系職員らによるもので各地で「黄禍」感を生む点で将来に後遺症を残すであらう、と指摘。日本や韓国など五輪開催を契機に国際社会で確実な地位を得たが中国にとつては寧ろ北京五輪後に多くの国家との関係改善がまづ先決で、五輪開催=とても各国と同等の資格での地位は得られぬもの。中国政府は海外の反中国勢力台頭の背景には経済成長続ける中国への反感といふ見方があるが、中国の経済成長と巨額の外貨備蓄を可能にするのは人民の、殊に貧困な地方から都市に流入した労働者たちの労力にあり(労働者に還元されるべき利潤が経済成長と外貨備蓄にかなり回されてゐる、といふこと)、已に高度な科学技術と資本集約型の経済体制である西側先進諸国にとつて、その中国が警戒されるほどの地位にあるか、冷静に見るべきと言ふ。中国はチベット問題を含む内政の様々な課題の対処を一歩間違へば、今は五輪で高揚する「愛国と統一」の勢ひが、いつ「不愛国と分裂」に転化するかも知れず、とする。

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