富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-04-09

四月九日(水)気温は摂氏30度近くまで上昇。曇空で湿度95%だかで街中湿つぽいたらありやしない。極めて不快。早晩に中環。カラーシックス現像店にて写真焼き増し受領。商務印書館。劉潤和氏と畏友高添勉氏の共著『香港走過的道路』なる歴史写真集等購入。FCCのバーでハイボールをダブルで2杯。帰宅し好物の韮と豚肉の鍋。NHKのNW9眺めれば4月から新キャスター登場。まるで朝か昼のワイドショーの如き世間話口調。
▼前述の『香港走過的道路』は香港で最近流行の歴史写真集の一つで「路上」といふコンセプトに絞つただけが特徴か、と思つたが頁を捲ると劉潤和氏による「歸程憙願」の記述がかなり興味深い。英国の香港占領と植民地化が、清末の華南の不安定に抗する香港「封鎖」から始まつたことや戦後の自由港化も国共内戦共産党と国民党の両勢力から香港を守るための活路の見出しによるものであるとか、(まだきちんと読んでゐないが)文革期や中英合意期についても分析は卓見のやう。面白い本だが写真をぱらぱらと眺めてゐると戦時中(日軍占拠期)の中に一枚、余が日本の某団体より借用し参考までにと、この本の編者である高氏に焼いてお渡しした画像がちやつかり掲載あり。本来であれば画像所有者の承認得るべきもの。余にも出版(昨年夏)以前に何ら連絡もなし。編者が知己でも筋を通して出版社にクレームすべき事と判断。
▼国会での福田二世と小澤一郎君の与野党党首対決。日銀総裁選びについてはアタシは福田首相の言ひ分に納得。官僚主義排すため財務省出身者は断じて拒否といふ民主党の姿勢はまるでかつての日本社会党に勝るとも劣らぬ拒絶党ぶり。福田二世の苦言をニヤニヤと聞き流す小澤君の態度はありや何かしら。官僚主導、天下り人事は問題あるが有能な官僚は公僕として多いに国政に利用すべき。自民党も問題多いが烏合の衆・民主党がこれぢや政権交代の緊張感漂ふ二大政党制などまだまだ無理か。
チベット問題。中国政府はオリンピックの政治的利用に嫌悪感示すが近代オリンピックが誕生から今日まで<政治>であることは明らか。朝日新聞は社説で「五輪は政治とは切り離せないが、成功させるためには、政治に引きずり回されないやうにする知恵が必要」と指摘。それがいかに難しいか。信報の連載「仏國通訊」で陳彦氏が指摘するのは
從進入世界的大前提看、在同國際社會接軌、衝撞的過程中、中國只有兩種選擇:要麼學會對話、妥協・走政治民主、尊重人權之路;要麼退回至閉關鎖國的愚昧時代。
……と。御意。

富柏村サイト http://www.fookpaktsuen.com/
富柏村写真画像 http://www.flickr.com/photos/48431806@N00/