富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-03-29

三月廿九日(土)散髪。御仏に仕へる如く十年来剃髪してゐたが昨年末にふと髪を伸ばし始め遂に収拾つかず、この数ヶ月の間に北角の上海理髪もマンダリンオリエンタルホテルの理髪室も試してはみたがイマイチでM氏の紹介で銅鑼湾でI氏営む理髪店へ。どんなふうに調髪したいか、には具体的な写真とか芸人の名前でも出せばいいのだらうがアタシの場合「髪のクセが強くて、このまま伸ばすと前髪が野口英世みたいになつちまふんで20年代の上海で流行つたみたいな、例へば古川ロッパとか折口信夫とか、ああいふ今から見れば時代がかつた古風な短髪で、歌右衛門くらひ刈上げてもらつてもいいんです」なんて説明になつちまふが、イメージを納得され一安心。一時間半も徹底的に刈つてもらふ。これでまた帽子被るのも思ふ存分。諸用済ませ早晩にFCCのバー。A夫妻とZ嬢を待つ間にドライシェリー一杯。A夫妻は92年だかに当時、北京駐在が終はるご夫妻に旅先のバリ島に遊びグランドハイアットホテル同宿で出会ひ、海南島にもその後5年ほどお住まひで現在は広州在住。2003年以来の再会祝しピペ=エドシックのブリュット。旅先で遭遇した方でかうして長くお付き合ひは後にも先にもこのA夫妻だけ。樓上のダインで晩餐。葡萄酒は新西蘭はCape Campbell Rieslingの04年。A夫妻と別れZ嬢と午後9時から市大会堂で映画『ジャンゴ』看る。三池崇史監督もここまでやるか、のマカロニ=ウェスタンならぬ源平ウェスタン。個性的な役者づらりと並べ全編英語の台詞も皆さん見事。帰宅してドバイからの競馬中継。昨年はシーマクラシックで香港のVengeance of Rain、免税店盃で武豊アドマイヤムーン、でワールドカップデットーリ師のInvasorとアタシは三連勝しちまつたので今年はダメか、と(笑)。免税店盃はデットーリ騎手のLiteratoから流し、シーマクラシックは香港のViva Patacaにご祝儀、ワールドカップデットーリ騎手のJalilと愛国心から武豊ヴァーミリアン。免税店盃はLiteratoも昨年の日本ダービーウオッカもダメで優勝の南アフリカのJay Pegに香港は万馬券のHK$1,528がつき、シーマクラシックは豪州馬Sun Classique(フジキセキ産駒)が強さ見せてヴィヴァパタカは2着。ワールドカップはダートでは最強か米国のCurlinが優勝。せめてシーマクラシックで連複買つてゐればヴィヴァパタカとサンクラシックの一点買ひだつたのだが、の「たられば」感。
大江健三郎氏の『沖縄ノート』での日本軍指揮官による集団自決命令についての訴訟。大阪地裁で原告の請求棄却。軍の関与は当然とアタシは信じるが著者が『沖縄ノート』で果たして二人の指揮官を名指しで断罪できるのかしら。
教科書検定は最終的には「軍の関与」を認めた。そこへ今回の判決である。集団自決に日本軍が深くかかわったという事実はもはや動かしようがない。(朝日社説
ただ、集団自決の背景に多かれ少なかれ軍の「関与」があったということ自体を否定する議論は、これまでもない。この裁判でも原告が争っている核心は「命令」の有無である。原告は控訴する構えだ。上級審での審理を見守りたい。(読売社説
教科書などで誤り伝えられている“日本軍強制”説を追認しかねない残念な判決である。この訴訟で争われた最大の論点は、沖縄県の渡嘉敷・座間味両島に駐屯した日本軍の隊長が住民に集団自決を命じたか否かだった。だが、判決はその点をあいまいにしたまま、「集団自決に日本軍が深くかかわったと認められる」「隊長が関与したことは十分に推認できる」などとした。そのうえで、「自決命令がただちに事実とは断定できない」としながら、「その(自決命令の)事実については合理的資料や根拠がある」と結論づけた。日本軍の関与の有無は、訴訟の大きな争点ではない。軍命令の有無という肝心な論点をぼかした分かりにくい判決といえる。(産経社説
やつぱり産経が期待通り一番面白い。

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