富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-03-09

三月九日(日)冗談高じて人様の目の前で洋琴演奏。Z嬢とドビッシーの「小舟にて」といふ連弾曲。多少練習したつもりが緊張して展開などかなり外し赤面の至り。いつたん帰宅して早晩に金鐘。中環に向ふのに香港公園の中を抜けると、半袖Tシヤツ1枚でも気持ち良い陽気に人出多し。それにしてもデジイチの普及の凄さ。なんで素人にD300が必要なの?と思ふが、なぜニコンの方は80〜150mmくらひの大口径のレンズが好きで、キャノンのEOSの方は300mmの望遠なのかしら。アタシには公園に咲いてゐる花なんか撮つてゐて何が楽しいのかさつぱりわからない。FCCに寄りステラアルトワの麦酒1杯。Z嬢と待ち合はせ、待ち合はせ場所が香港動植物公園でなぜか「オランウータンの獣舎の前」。寝てばつかりゐるオランウータンに比べリスザルに愛嬌あり。夕暮れのなか粗呆区を抜け散歩。Gough街の銀杏館(Gingko House)なる食肆にて夕食。香港の食肆で働き続け一度は引退した老年の給仕らが「まだ働けるよ」と数名で開業の洋食屋。さすが客あしらひは見事。鵝肝、茸パイ、鵝肉のリゾット、牛の肋肉ソテー、どれもあつさりで風味佳し。予想以上に美味。で値段は良心的。葡萄酒は智利のUrmeneta, Rio de CobreといふSau Bla の06年も値段に見合ふ。この食肆、雰囲気は巴里のビストロ。だとすると老給仕はギャルソンか、と言へばZ嬢がgarçonぢやなくてgar叔(広東語では「叔」はsukといふ発音)と見事な呼び名考へる。帰宅して長徳先生『銘機礼讃』2読了。中古のクラシックカメラで、しかもかなり通人だけ知る東欧の写真機の話など門外漢には珍紛漢紛なはずのなのだが読ませてしまふのが長徳先生の饒舌な筆致。

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