富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-03-08

三月八日(土)先考命日。香港は麗かな陽気。故郷は梅の季節か。昼前に裏山を走る。香港マラソン以来一ヶ月ぶりで走ると身体が重い、重い。午後、所用済ませ早晩に南区はDeep Water Bayの某氏宅。ガーデンパーティあり末席を汚す。GlenmorangieのLasantaなるシェリー樽熟成を食後、飲む。Lasantaはイスパニアの語のようだがゲール語でWarmth and Passionの意の由。二更に至りI氏の運転手つきの車で自宅まで送られる。
朝日新聞池谷裕二といふ東大の脳研究の先生が言語と脳について書いてゐる。
幼少時から二つの言語にさらされて育ったバイリンガル脳は二つの言語で同じ言語領域を使っているが、10歳以降に外国語を学んだ脳は別々の領域で活動している。幼い頃に英語を「獲得」した脳と、大人になって「学習」した脳は、決定的に違うわけだ。
と、やはり「小学校までは日本語の徹底」なんて言つてゐる愛国心ぢや救はれない現実だが、池谷先生は、それぢやカタカナ英語がいけないか?といふことには、カタカナ英語でも通じる。英語に割り当てるカタカナ読みを変へればいひ、と紹介する。例へば
animal アニマル▶エネモウ
hospital ホスピタル▶ハスペロウ
Can I have... ケナヤブ
Do you mind if I... ジュマインデファイ
Can you take our picture? ケニュテイカワペクチョ
……「これぢや絶対に通じない」(笑)。もともと英語の音感に慣れてゐない脳がこのカナの呪文を覚えたら最悪。ケナヤブやルーマニア語か、ジュマインデ=ファイさんはアルゼンチン華僑四世の名前。ケニュテイカワペクチョはハナモゲラ語(懐かしいが)。このカナ英語にはイントネーションといふ、言語にとつて大きな要素が欠落。ところで、このカナ英語、そもそも米語を意識過ぎないか?

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