富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-03-07

三月七日(金)諸事に忙殺され晩に至る。帰宅して先日の残りのAntu Ninquenの葡萄酒飲む。熟成。ちらし寿司。長徳先生『銘機礼散』2の続き読む。
▼著名蹴球員ベッカム某がギャラクシー隊で来港。五年前にリアルマドリード隊で来港の際の旋風に比べ今回は空港で待つファンは10数名(記事の写真で見るかぎり、そのうち2組は日本人の親子連れ)。香港のサウスチャイナ隊との友好試合の入場券は七千枚だか売れ残りの閑散ぶり。人気商売にいつか陰りはあらうがファンも余りに飽きつぽい。だが蹴球に長ける程度でスターになりすぎ、しかも一芸の球技に精進そつちのけで楽しいセレブライフでは愛想尽かされるのも当然か。同じく蹴球員で引退の中田某などかつては来港で新聞の一面飾つた人が今ではシャネルだグッチだのパーティ業で来港しても新聞に記事すらなし。
北京五輪に向け鳴り物入りで完成の北京にある国家大劇院。香港中楽団のこの大劇院での公演に同行の音楽評論家・周凡天氏が「官僚兼死板、自危欠専業 - 国家大劇院管理問題多」と酷評(四日・信報)。凡天先生呆れた態を列挙すれば
・楽団が舞台に揃ひ指揮者現はれても静まらぬ観衆。指揮者は会場安静になるまで数分間ぢつと耐へて、やうやく演奏開始。
・演奏中も(急場の便意ならともなく)意味もなく場内徘徊する観客まであり。
・中央電視台の実況録画では舞台上のカメラのスタッフは(楽団員が全て黒の中国服であるのに)赤と黒の横縞の毛糸のセーターとラフな姿。
・主催者側作成のパンフレットには北京初演の曲もあるのに曲目紹介すら不十分で慌てて楽団側が簡体字の曲目紹介を準備。
……と。また党政府幹部の来場ともなれば警察犬数十頭連れた公安が数日前から徹底した現場の安全確認で「芸術宮殿変軍事重地」の有り様。ひどいものだが聞いても「さもありなむ」で落ち着いてしまふのも悲しいかぎり。

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