富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-02-28

二月廿八日(木)早晩に連日の銅鑼湾。何洪記で咖喱牛腩飯喰らつてゐるとテレビ局の取材中。この店の名物で香港でも極高カロリーな「干炒牛河」など取り上げる。まづ物撮りで、暫くして男女レポーターが食して「美味い」連発するのだが、物撮りから10分くらゐ放置されすつかり冷えて河粉も伸び切つたであらう料理を美味さうに食つてみせるのだから芸人は大したもの。所用済ませ二更に閉店間際のアピタ(旧ジャスコ)に寄り日本食フェア覗くが食指動かず、Ritter Sportのチョコなど購ふ。JCHECA*Fブログで読み(こちら)無性にこのチョコに関心が。帰宅してジャック=ダニエルのアテに頬張つたが確かに美味。ウオフ『国民の天皇』少し読む。
▼用事の合間にふと近くに張五常教授の経済解釈巻三『制度的選擇』なる経済理論書あり少し読む。近代経済学など門外漢のアタシは中国人初のノーベル経済学賞候補だつた、インターポールに追はれる張教授の著作をきちんと読んだこともないが(それに教授の看板である佃農理論もけして画期的な発見とは思へないが)この人の著述に「華がある」のは経済理論書を数頁読んだだけでも納得。
▼香港といふと過密都市の印象強いが実は香港全域の7割が自然公園。淡路島全体の3割に700万人以上が住んでゐると思ふと過密だが。で香港島も意外と緑に覆はれてゐるが実はこれも戦後40年ほどでの繁殖の結果で植物に詳しい人が見ると岩肌にコケが生すやうに自然には共存する筈のない世界各地の様々な植物が繁る奇景の由。そのなかでも香港島で鬱蒼と目を引くのが印度ゴムの木。英領印度より香港に主に日よけ用の観賞樹として運ばれたのはいひが迷惑なくらいの繁殖。で香港大学の学長公邸。学長に邸宅に招かれた左丁山が「本来であれば住宅周辺に植ゑてはいけない木なのに」とその浸蝕の凄さを暫く前に書いてゐたが(蘋果連載)今日の蘋果日報にその報道あり(こちら)。こりや凄すぎ。香港大学はこのゴムの木を伐採したいが香港で樹木伐採は地政署の批准が必要。で批准許可されず。ちなみにこの学長大学、築60年の香港では貴重なアールデコ建築の洋館。
▼香港での葡萄酒と麦酒の酒税撤廃。現実にどの程度か、といふと、香港の酒税はこれまで葡萄酒は40%、麦酒20%でハードリカーは100%(これが高すぎ、今回も税率維持)。昨日の酒税撤廃受けスーパーは一触即発、葡萄酒を一律28%価格下げ、ちなみに某葡萄酒商では1986年のCh. Lafite RothschildはHK$15,633が発表と同時にHK$11,515に値下げ。小売り単価の小さい麦酒の場合は缶ビールで1缶あたり30セント安。この手つ取り早さは香港の真骨頂。日本なら酒税改正でいつたいどれだけの労力を浪費するか。電力料金の世帯あたり1,800ドルの政府援助も日本なら電力各社との調整で数年は要しようか、といふもの。
▼紐育フィル後日談その2。信報(26日の記事)によると北京では(香港との演目の違ひは)チャイコフスキーの「悲愴」。五輪開催で沸き立つ北京で「悲愴」とは失礼(笑)。ところで香港でのアタシも見た三日目の公演、香港政府政務司・唐英年様ご臨席。でバルコニー席の最前列にご着席。このバルコニー最前列、落下防止のため欄干に物を置かないでください、が規則でパンフレットでも置かうものなら係員すつ飛んで来るのだが政府ナンバー2の唐英年が着席し徐ろに欄干にパンフレット置いたが注意受けず、の不公平。で旁人虎假虎威でその一列、みんながパンフレット欄干に置いてゐた由。別な記事によれば香港フィルの音楽監督・江戸出悪人(Edo de Waart)はんが今度はミルウォーキー交響楽団音楽監督に就任。今のところまだ本妻は香港フィルだらうが気持ちは何処に。

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