富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-01-26

一月廿六日(土)早晩まで諸用続くが始終宿酔気分。ジムのサウナで汗を流し漸く酒が抜けたが喉が渇きコンビニで麦酒立ち飲み。始末に終へず。Z嬢と待ち合はせ湾仔Jaffee Rdの伊太利料理Al Denteに夕食。芸術中心で映画『追悼のざわめき』松井良彦監督、1988年を見る。一昨日の新聞でこの映画の上映知つたもので芸術中心では大阪怪奇歌(Osaka Weird Sonata)なるシリーズで大阪で製作された自主制作映画8本上映してゐたものの千穐楽。地味な企画をようわるわ、ほんま、とつくづく感心。関西カルト映画の巨匠・松井良彦のこのカマガサキを舞台にした150分の長編ももう20年前の古典。中野の今はなき武蔵野ホールでの単独公開とロングランは伝説となり(04年の武蔵野ホールの閉館記念上映も確かこの映画)今かうして見ても「かたわ者」の扱ひやキチガイとなつた小人症の女が女子高の校庭に乱入するシーン(ハプニング的な混乱を高所より撮影)や空きビル屋上での火事の場面と消防、その後の現場検証など20年後の今日では「撮影できない」だらう。この映画、86年には香港での日本映画特集での上映不許可となつた由。今回は16mmフィルムではなくニュープリントからのHDテレシネデジタルなるものださうで画質が恐ろしく鮮明。それが残虐な場面がむしろさらつとあつさりと見えてしまふから不思議。見え過ぎるといふことは想像力も演出の妙も顕過ぎて欠けてしまふのかしら。

富柏村サイト http://www.fookpaktsuen.com/
富柏村写真画像 http://www.flickr.com/photos/48431806@N00/