富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-12-27

十二月廿七日(木)所用で出かけるのに山越えで走る。快晴。気温は摂氏十七度。走つて汗をかいてもシャツの着替へがあれば良い。水も少なめ。晩に忙しく「食の孤島」太古城のCityplazaの所謂Food Courtでオリエンタルカレーでも食べようか、と思つたらオリエンタルカレー供すカレー屋は閉ぢられ近日中に印度カリーの店が開業、と張り紙あり。香港では、あの「いかにも即席カレー」のコクの無さ、は人気出ず、かしら。旭屋書店でアサヒと日本のカメラ雑誌二冊購ひ帰宅。夜遅くまでジャックダニエル飲みながら熟読。といつても、同紙ともEOS-1DsMark IIIとD3取り上げ「ニコンらしさ、キャノンらしさとは何か?」とか「究極の高画質デジイチ、その凄み」なんて記事がメインで、アタシ的にはRicoh GR Digital IIやライカズマリットMレンズの特集とかも嬉しくはあるが(アサヒカメラがこの新ズマリットとフォクトレンダーコシナ製)を比べ価格など考慮すると後者がいかに互角に勝負してゐるか、を指摘してしまつたのも可笑しいが)、実は何の記事に最も関心がいつてしまつたか、といへば、まづ、新宿戸山でContax専門に扱ふ極楽堂が開業5周年記念でアサヒに8頁、日本に4頁の全面広告掲載の天晴れ(先日もDavid Chan氏にGからMマウントの変換リングを見せられた時には昨年の秋にライカ化計画の中でContaxはG1やビオゴンのレンズ処分してしまつたことを悔やんだ)であり、そして、四谷荒木町のアローカメラの買取り名人・野田父子の写真が、08年新年に当たつてか、これまでの左右並んで坐つてゐた写真から、父が椅子に坐り息子が背後に立つ、といふ「いかにも写真館での記念写真的な」父子像に変はつてゐたこと。その2つなのだ。実にこれが可笑しい。それにしても、この二誌はほんと並べて読んでみると誠に興味深い。アサヒカメラが大和屋、昨年正月の中村屋に続いてこの正月號では篠山紀信先生の成田屋の坊や。デジイチと望遠レンズ駆使して、の海老蔵の舞台写真だが、これに対して日本カメラが土田ヒロミの、田楽か何か、土俗舞の装束を白を背景にした現場つて、ただの田舎か、の仮設スタジオ!でのポートレート撮影。完ぺきに後者の勝ち、だらう。
▼長實さん(李嘉誠)が1963年に65万ドル(今ならわづか1億円)で買ひ上げ43年住んだ79 Deep Water Bay Rdの家から引越し。新居は2003年に83百万ドルで梁 智鴻一族より購入の(つて03年=疫禍のこの価格は破格の底値、さすが李嘉誠だが)壽臣山(Shouson Hill)の敷地に長男宅を含む三家屋、床面積3000平米の邸宅を完成。何が強引、つてこの土地、もともとは壽臣山24號といふ住所だが、24は「易死」と読める、といふわけでか、登記されてをらぬ22號を用ゐて三棟を22A、22B及び22Cとしたが、これも気に入らず邸宅の後門に入る路地(私家路)を壽臣山徑(Shouson Hill Drive)と命名、で自宅住所はNo. 1-3 Shouson Hill Driveにしてしまふ荒技。これが邸宅の門柱に堂々と(まだ嘉誠道とか長實經にしなかつただけマシか)。地政總署(Land Dept)の担当者によれば敷地内に道路を造つた場合の命名権は土地所有者にあり、申請すれば政府は道路名称を官報に載せ正式な道路名称となる(元朗の錦綉花園の錦綉大道などもその一例)。また申請せず官報に載せぬのも不法ではないが、それでその住所用ゐれば何かと不便もございませう、と。で、固定資産税扱ふ差餉物業估價署は、この土地はあくまで登記上は壽山村道22A、22B及び22Cであり、門牌の住所表記は不正確であり所有者に正確な住所表記するやう書面で提示の予定、と言ふ。 また条例によれば土地所有者が正確な住所を門牌に提示せぬ場合、最高罰金HK$2千及び6ヶ月の禁固刑の由。ところで蘋果日報の地図で壽山村道51號厚園が「政務司司長官邸」とあるが、これは「律政司司長官邸」の誤り(政務司司長官邸は山頂のBarker Rdの15番地 Victoria Houseなり)。

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