富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-12-26

十二月廿六日(水)耶蘇節に続きBoxing Dayの休日。例年この日は港島のBlack's Linkで8kmほどのレースあるのだが今年は参加申込み逃す。Z嬢と大老山の隧道潜り廣源邨の団地から黄牛山(604m)のはうに入るはずが本来の石芽背に向ふ登山口をほんの50mほど手前で断念してしまひ見つけられず(初歩的な地図の読み違ひ)手前の澤で薮漕ぎ続けること一時間半。昼近くになり観念し梅子林を回らうか、といつたん車道に出て歩き初めて石芽背に向ふ登山口見つけ予定通り歩き始める。黄牛山の標高400mあたりでMcLehose Trailの#90左右のトレイルコースに出るのだが、ここから「大腦」に下る草原、孟宗竹の林は見事。「大腦」はすでに廃屋が草木に覆はれた部落。山深きこの地にかつて四、五軒の集落があり。なぜ「大脳」(Tai No)といふ奇妙な名なのか。1kmほどかつてかなり整備された石の敷かれた山道を下り(これだけでも大腦の部落はかなりの財力あり)界咸(Kai Ham)の集落に出、此処からちやうど来たミニバスで西貢。その道の途中、山中の掃墓の人に「昔の礦山の陥没窩に注意」といふ看板あり。ふと、大脳など、この山深き部落の人々は礦業を生業にしたのでは?と思ふ。西貢で麦酒を飲むつもりがDuke of York酒場開いてをらず。英国流にBoxing Dayで休みかしら。林記小食で腸粉と炒麺で空腹癒しコンビニで購入の麦酒を波止場で魚介賣る近隣の漁師の小舟眺めつつ、飲む。帰りのミニバスの車窓から見るとDuke of Yorkが開いてゐる。ふだんなら昼から開いてゐる酒場は、どうやら昨晩の耶蘇の騒ぎで今日は遅めの開店だつたのかも。帰宅。早晩、印度にMcDowell'sなるウヰスキーあり、これをロックで飲む。先日N君にこのMcDowell'sのSignatureといふのだから同社では優良銘柄なのだらうがアタシは個人的にこの印度のウヰスキーは嫌ひぢやない。ラベルに Rare Whisky つてそりやレアだが(笑)。印度のモルトとスコッチをブレンドするのだと云ふ。N君がどうしてこんな酒を入手したのか、ラベルを読むと製造元がネパールで、登山家のN君夫妻のことだからカトマンズででも入手したものかしら。昨晩の酒の肴で夕食。もう1年以上、基本的には夕食で「ご飯」を食べず「おかずだけ」の野菜多めの食生活。中上健次「熊野集」読了し「火まつり」も読む。映画のための原作(書き下ろし)で当時、新刊で読んだ記憶(読んだ、といふだけの記憶)があつたが、こんな説明のくどい作品だつたか。どうしても柳町光男が監督で、北大路欣也太地喜和子の映画こそが印象も強い。それにしてもあの映画、撮影は田村正毅、音楽は武満徹で、キャストも脇を固めるのが宮下順子藤岡重慶小林稔侍、菅井きん高瀬春奈三木のり平など実に印象的であつた。

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