富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-12-15

十二月十五日(土)朝から机に凭り雑事片づけ昼までピアノ練習。午後外出し所用済ませ早晩に閑散としたFCCのバーでドライマティーニとDalmoreの12年をダブルで一杯。蘭桂坊通り抜けるとなんだか子どもも多くディズニーランドの如し。Z嬢と待ち合はせ数年ぶりに明珠越南餐庁で軽く越南料理。最近香港にもお目見えのSegafredoエスプレッソ珈琲。そりや星巴や太珈よかずつと美味い。市大会堂。香港ショパン協会主催の音楽会、本晩が千穐楽Gary GraffmanのピアノとLCOのカルテット。まづはグラフマン先生のソロでスクリャービンエチュード嬰ハ短調(作品2の1)Jay Reiseによる左手のための編曲。昨晩の入谷君も良かつたが同じピアノでもさすが師匠、音の響きが段違ひ。続いてCarl Reineckeの左手のためのピアノソナタハ短調(作品179)。なぜ左手だけでこんなに見事な沢山の音が聞こえてくるのかしら。ここで一週間大活躍ですつかりお馴染のカルテット、といふと浅草演藝ホール今月中席で玉川カルテットのようだがLCOの四重奏団が現れグラフマンのピアノでAlfred Schnittke(1934〜1998)のおそらくConcerto Grosso第6番?もアタシの苦手な前衛楽曲だがきれいなフレーズが見え隠れして良質のSF小説の如し。グラフマン氏が不自由といふ右手でかなり巧みな演奏。中入後はLCOが弦楽四重奏シューベルトの「死と乙女」。この曲を聞くとなぜか木下恵介の映画思ひ出すアタシは第二楽章が好み。でも普通の作曲家なら幕の内弁当のやうに15分の曲にまとめてしまふところをこれでもか、と4楽章にしちまふところがシューベルト。この香港ショパン協会主催の滋味な音楽会が定着すること祈る。
蘋果日報、八掛新聞、反体制ゴシップ紙とはただ侮れず。今日の副刊では「クリスマスの休暇に」と何を紹介か、といへば書斎の書籍整理。陶傑氏と畏友歐陽應霽君の見事なまでに快適に整理された書斎紹介し、さらに「古くは曬書の習慣あり」と紹介。曬書は晒書、荷風散人は日剰に「曝書」とあるが今では図書館でまだ図書整理に「曝書」と示すこともあらうか。
▼香港政府観光局の高官医療保険醜聞。この元・総幹事は当時の主席・周梁淑怡の承認を口頭で得た、といふが周梁淑怡曰く、政府高官の人事は同局理事会と政府財務官の承認得たもので雇用契約内容を主席の立場で変更能はず、口頭で保険加入の承認得た、といふのは奇妙、と。当局の女性高官らの仲違ひ。いづれにせよこの醜聞で最も被害あるのは明らかに自由党。さきの区議会選で山頂区で議席失ひ立法会補選では葉劉淑儀候補の応援足りず、で今回の醜聞でまた支持率下降は必至。ところで葉劉淑儀といへば、来年の立法会選挙への立候補早々と表明したが頼みは立法会議長・范徐麗泰の不出馬=全人代常委昇格で保守票確保。それが全人代ではやはり「保守親中度」からして梁愛詩がネクタイ大王・曾クロコダイル憲梓の後を襲ふべきといふ見方強く范徐麗泰は立法会引退すでに公式に発表したものの慰留といふ噂もあり。

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