富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-11-19

十一月十九日(月)香港の区議会選挙、蘋果日報は「泛民区選大敗」と大書きするが大方の予想通り民建聯が前回失ひし議席奪回のうへ善戦で115議席だかゲット。この勢ひで立法会港島区補選もレジーナ葉劉淑儀女史の当選を、と意気込む。レジーナ女史といへば昨日、区議選候補の応援で、米国留学から帰省中の娘を同伴。03年の基本法23条保安立法の当時、娘が学校で「オマエのカーチャン、掃把頭〜!」とからかはれる、と母がこぼしてゐたが四年経ち娘も母に劣らぬ、なかなかの貫録。娘が「香港では18歳で投票できるが米国は21歳」と宣ふと近くにゐた市民が「米国だつて18歳だよ」と指摘。スタンフォード大学修士の母は「米国も以前は21歳だつた」と場を繕つたが蘋果日報の指摘によれば米国で選挙年齢が21歳から18歳に引き下げられたは1971年のこと、と指摘。民建聯にとつて、民生向上こそ本来、得意とするところ。愛国心だの国家保全など仰々しくせず政府の予算引張り環境改善などいはゆるドブ板選挙に徹するべき。港島は総数では劣勢でも已然、民主派強し。自由党の牙城である「山頂」区で注目の自由党現職vs公民党マドンナの戦ひは公民党の陳淑荘が当選。福建人の牙城・北角では選挙ポスターに落書きされても蔡素玉が圧勝。アタシの選挙区でも安泰のはずの保守派無所属現職を公民党新人が破る波乱あり。現職の、とくに何が悪いわけでもなく民建聯の御用議員に非ず愛国集会に地域住民も動員せぬし、任せておけば喜んで何でもやつてくれる地域名士。おそらくアタシのやうに無風安泰の選挙に嫌気がさした投票者が反対候補に一票投じた結果がこれなのかしら。九龍、新界でこそ民建聯が圧勝の結果。ところで香港の選挙はJCHECA*Fさんが書いてゐる通り
ご当地の投票用紙は候補者の写真入りで、しかも「V」みたいなチェックマークのスタンプ印付き。投票したい候補者の○の中に、このスタンプをポンと押して「この人!」とやるわけだ。文字が書けなくてもOK。候補者の名前忘れてもOK。何しろ写真付きだから、最後の土壇場で、顔で選ぶことも可能。識字率が低いとは思へないが、まあ病気や高齢で字がうまく書けない人はゐるし「この人!」マークのはんこ押す方が簡単だわね。
で、米国大統領選挙のフロリダ疑惑のやうなことは間違つてもおきない。本日、日暮れ前に一旦帰宅してからジムまでちよつと走りジムで更に5kmだけ走る。帰宅して有機大豆の美味い豆腐で湯豆腐。ミシュラン(香港では「米芝蓮」)の東京版上梓の由。すきや橋 次郎など。寿司では言はずもがな、の名店だが。ご亭主が「握り寿司は手が命」とカシミアの手袋。客でもないアタシに指摘する資格もないが「次郎」取り上げた番組で大写しになつたご亭主の手指の毛が、妙に気になつた記憶。いづれにせよ東京ミシュラン、美味い食肆の贔屓連中にとつては「好きな店に星などつかず安堵」かしら。萱野稔人『カネと暴力の系譜学』半分近くまで読むが十時過ぎに睡魔にをかされ臥床。

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カネと暴力の系譜学 (シリーズ・道徳の系譜)

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