富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

九月廿九日(土)午前中書斎にて雑事済ませ昼前に裏山でも走ろうか、と思ったが午前十一時より或る寄り合いあったことすっかり失念しており気がついたのが四十分前。で金鐘に急行。昼過ぎに寄り合い主宰のT氏と食品店Greatのカフェで昼餉がてら雑談。午後薮用あり。早晩にZ嬢と湾仔の波止場で待ち合せフェリーで尖沙咀。HABIT? Ristranteにパスタ食す。葡萄酒をグラスで豪州のRoseroadだったか、失念。香港文化中心。香港管弦楽団で「薔薇の騎士」を全曲通しで歌唱と演奏。指揮は同管弦楽団総監督の江戸出割音(Edo de Waart)氏。 コンサートマスターJohn Harding氏に替って初めての拝聴。唸るような音色が好き。割音氏が香港管弦任されて四年目?か、今晩の演奏はさすがオペラ上手の氏だけあり、楽団の演奏は充分に満足できるもの。この楽団、コンマスはじめかなりの団員が替わり、以前とはもうすっかり別のオケの如し。レベルかなり向上。だが三分の二くらいの奏者が外人部隊では地元のオケという親近感に欠ける。歌唱は元帥夫人にDagmar Schellenberger女史、オクタヴィアンがMichelle Breedt女史、ゾフィーにHeidi Elisabeth Meier女史、で男爵(オックス)役のFranz Hawlata氏がかなり出色。ファイナルはWolfgang Holzmair氏。三時間余のオペラ作品を歌い手とオケの演奏だけで全曲通す、というのだから「飽きてしまうのではないか」と多少懸念あったが、なかなかどうして必要最小限の演出も用いて客を飽きさせず。Z嬢と一緒に「元帥夫人の嘆きがつくづく身にしみる年になった」としみじみと思う。香港文化中心の幕間のバーコーナーで三鞭酒供しているのを初見。一杯HK$120は高すぎ、で誰も飲まぬ。
▼九月廿六日の毎日新聞より引用。
渡海紀三朗文部科学相は26日、安倍晋三前首相の教育改革路線とされる競争原理の導入について「義務教育には持ち込むべきではない。基本的には学校間の競争は極力さけなければいけない」と否定的な見解を示した。また、政府の教育再生会議が導入を検討している教育バウチャー(利用券)制度にも、慎重な姿勢を示した。渡海文科相は「教育は市場原理になじまない。市場原理主義で物事を進めると、社会にひずみが生じ、格差を生み出す」と述べた。バウチャー制度についても「バウチャーをもらっても(学校を)選ぶところがないという地域的な問題が解けない」と安倍路線との違いを見せた。さらに、道徳を名称変更し、徳育にするという再生会議の提言には「言葉は重要ではない。(中身を)しっかりやっていくべきだ。なぜそう言わなければいけないのか聞いてみたい」と述べた。
官房長官町村君曰く「教育再生国民会議にはひきつづき活動していただく」。教育担当首相補佐官の山谷某も続投。だが実質的には年内に答申出させて「はい、ご苦労様」か。この茶番劇のさなかにヤンキーから国会へ、の変節先生だけが「おいしいところ」ゲットか。文部科学省、築地のH君の指摘通り、渡海紀三郎君の文相就任は幸い。この10年、小坂憲次君を除けば概ね「タカ派」が独占の文相ポスト。その後釜の渡海君はかなりリベラル派。もともと新党さきがけ、だ。教育基本法改正成就で「さあ次は下位法をバンバン改定していきますよ」「教育現場も覚悟決めて従えよ」の背水の陣で、この文相人事は「当面、教育改革はほどほどにやります」の意思表示か。で、間違いなく窓際であった中教審が蘇生。会長が山崎正和君。当面は「保守リベラル」の教育行政に転換か、と再生会議よか「まだずっとマシ」で期待するか。
▼昨日のビルマでの日本のAPF通信所属記者の死亡について。築地のH君の話では東京新聞は昨日の朝刊で件の写真をトリミングせずに一面で掲載。キャプソンは「負傷し、倒れこみながらもカメラに収めようとする男性」。但し「日本人記者殺害」が同じ1面トップ記事にあり、写真がその決定的瞬間とは気づいておらず、か。トリミングして掲載した社の場合は「長井さんかもしれないが、確認がとれない」状態での判断だったの鴨。だが外電ではすでに断定しており微妙なところ。

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