富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-09-14

九月十四日(金)昨日の安倍25億円脱税疑惑に続き今朝の蘋果日報は外報一面トップで「安倍疑患癌」なのだ。やっぱり新聞はここまでセンセーショナルぢゃなくっちゃ。それにしてもここまで国政で面白みがある点で日本は台湾以上。松井今朝子女史が「敢えてボンクラを御輿に担いで優秀な人材が周囲をしっかり固めるというのは太古から日本の典型的な権力構造」と見抜いているが、それを通り越して日本=ボンクラ国家、ということを痛切に肝に銘じるべきなの鴨。ところで「ぼんくら」ってどういう意味?と思ったら「盆暗」は博打の隠語。「盆の上の勝負に暗い」で「頭のはたらきがにぶく、ぼんやりしていること。まぬけ」の意。で本日、早晩に湾仔のDelaney'sでギネス麦酒一飲。永華麺家で雲呑麺。火曜日に日本から戻り安倍三世辞任で忙しく(笑)三日目で雲呑麺食べようやく香港に戻った気分。西湾河文娯中心。安徽省は池州の「儺戯」参観。儺は宋代からの仮面舞踊。舞台に掲げられた「郷人衍慶」の額と聯にある「村歌社舞蒙供、渾同方相氏、承衍郷人儺、棘矢桃弓祝事」の文字にある通り、日本でいえば神楽か田楽。音楽も鐘と太鼓だけで絃すら用いず、むしろ素朴さ興味深い。が舞台に上げて客席から観劇するものか、は疑問。これが洗練されると雅楽舞楽だろうし、今晩の演目にも「酔胡騰」というのがあったが、晉の時代の中国の舞楽が廃れ、それが日本で林邑八楽のような形で「胡飲酒」など残り、むしろ洗練されたことも興味深いところ。遅晩に原武史『鉄道ひとつばなし2』読む。原武史のほぼ全著作読んでいるアタシには自然だが「鉄道モノ」でこの本を手にした人には突然、第一章「鉄道と東京」とか違和感もあろう。
▼香港の立法会港島区補選で陳方安生女史が泛民主派候補に絞り込まれたことに信報や左派の間で「非民主的」の指摘あり。アタシは陳方安生という人がどういう本性なのか、は福田康夫君の「性格の悪さ」と同じくらいわからない。しかし選挙において候補者乱立で敵方勝たせるよか候補者絞り込みは常識の範疇。それを「密室政治」とは言わぬ。こういう指摘が起きるのも香港が実はまだ選挙慣れしておらぬから、か。日本共産党以前のセンス。なにせアンソン女史の対立候補(となるはず)のレジーナ女史は親分たる董建華に背後工作託し政府の保守派元高官の支援を得て立法會議長で今期で引退予定の范徐麗泰女史に取り入り保守派と中間層に強い范女史の後継者扱いとなることで今回の得票及び次回選挙での議席確保まで余念なし。左派・親中派の支持集るのだから、これに対抗する上でアンソン女史が担がれたのも民主派の候補絞り込みも当然のこと。

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