富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-09-13

九月十三日(木)快晴。木曜日朝といえば安倍内閣メールマガジン。第46号の「こんにちは、安倍晋三です」は「改革、テロとの闘いを前に進めるために」と題し、以下全文引用。
こんにちは、安倍晋三です。
内閣総理大臣の職を辞することを決意いたしました。
7月29日の参議院選挙の結果は、大変厳しいものでしたが、改革を止めてはいけない、戦後レジームからの脱却の方向性を変えてはならない、との思いから続投の決意をし、これまで全力で取り組んできました。
また、先般のAPEC首脳会議が開催されたシドニーにおいて、テロとの闘い、国際社会から期待されている、高い評価をされている活動を中断することがあってはならない、なんとしても継続していかなければならない、と申し上げました。国際社会への貢献、これは私の「主張する外交」の中核であります。この
政策は、なんとしてもやり遂げていく責任が私にはある。こうした思いで、活動を中断しないために全力を尽くしていく、職を賭していくと申しました。
テロとの闘いを継続するためには、あらゆる努力をする。環境づくりについても努力しなければならない。一身をなげうつ覚悟で、全力で努力すべきと考えてまいりました。
そのために、私は何をすべきか。
局面を転換しなければならない。これが私に課せられた責任であると考えました。
改革を進めていく、その決意で続投し、内閣改造を行ったわけですが、今の状況で、国民の支持、信頼の上で、力強く政策を前に進めていくのは困難である。ここは、けじめをつけることによって、局面を打開しなければならない。そう判断するにいたりました。
新たな総理のもとでテロとの闘いを継続していく。それを目指すべきではないだろうか。今月末の国連総会へも、新しい総理が行くことがむしろ局面を変えていくためにはよいのではないか、と考えました。
決断が先に延びることで困難が大きくなる、決断はなるべく早く行わなければならない、と判断いたしました。
無責任と言われるかもしれません。しかし、国家のため、国民のみなさんのためには、私は、今、身を引くことが最善だと判断しました。
約1年間、メルマガの読者のみなさん、国民のみなさん、ありがとうございました。
この間にいただいた、みなさんの忌憚のないご意見、心温まる激励を、私は決して忘れません。
私は官邸を去りますが、改革、そしてテロとの闘いは続きます。これからも、みなさんのご支援をお願いします。(晋)
とこれだけの文章の中に「テロとの闘い」のフレーズが4回。なにかに取り憑かれているのかしら。N氏曰く「ラマンチャの男と言えばかっこよさそうだが」と。風車を巨人マタゴーヘルと間違えて戦いを挑み大怪我したピント外れ鴨。ちなみに今朝の蘋果日報は安倍三世辞任は今週末発売の『週刊現代』がスクープ特集する安倍三世の父・晋太郎の遺産25億円を相続税対策で政治団体に寄付したものとしての脱税疑惑あり、週刊現代の安倍三世に対するコメント要求の期限が昨日の午後二時(ちょうど辞任記者会見の時間)だった、とする。できすぎ、の話のようだが「さもありなむ」と思えなくもないし、香港の八掛新聞が簡潔に安倍辞任の記事のリードでこれを紹介することがまた可笑しい。かなり久々に「きっこの日記」読んだら、この脱税疑惑ネタあり。蘋果日報の記事のモトはきっこの日記かも。松井今朝子女史は「敢えてボンクラを御輿に担いで優秀な人材が周囲をしっかり固めるというのは太古から日本の典型的な権力構造とはいえ、激動期にはそれが通用しなくなるのも歴史の語るところである。自民にしろ民主にしろ、安倍よりはチョイワルならぬチョイマシ程度の2世3世議員しか見あたらない日本の命運や如何に。ただただ暗然たる気持ちにならざるを得ません」と語る。……という間に安倍三世心労で慶応大学病院に入院。機能性胃腸症。日本人の四人に一人がこれ、という報告もあり。でも国民の四分の一が入院してるはずもなく、「バカ野郎、俺なんて毎日胃がキリキリでも……」とさらに安倍三世嫌悪の国民も少なからず、か。いずれにせよ話題は次期総裁=首相争い。一つ懸念されるのは最近の歴代総理大臣は「前任者よりひどい」ことが選定の条件?になっているようなもの。となると俄然、本人も意欲見せる麻生二世(吉田三世)有利か。だが麻生二世、安倍三世とべったりの姿勢であった上に安倍辞任を「二日前から知っていた」が調整できなかった=露骨な次期首相ポスト狙い、総裁選次期調整での混乱の幹事長としての責任……等々「麻生嫌悪感」党内に広まり、その環境で晩に福田康夫君が出馬表明。ようやく、の感あり。この日剰紐解けば築地のH君とアタシがポスト小泉で福田康夫君首班で組閣したのが05年の5月。それがこれ。小沢一郎(無所属)が目立つが、これは当時、民主党代表が岡田君で(この年の9月の郵政選挙民主党は大敗を期し前原坊やになるのだが)どうも小沢君が民主党で浮き気味であったゆゑ。加藤紘一君が中国担当の特命補佐官なのは当時、小泉内閣で対中関係が最悪であったための調整役。自民党で出来得る限り真っ当な人選試みたつもり。
内閣総理大臣 - 福田康夫
無任所大臣(副総理) - 小沢一郎(無所属)
首相特命補佐官(中国担当) - 加藤紘一 
総務大臣 - 魚住裕一郎(公明党) 
法務大臣 - 武見敬三 
外務大臣 - 古賀誠 
財務大臣 - 亀井静香 
文部科学大臣 - 久間章生 
厚生労働大臣 - 河野太郎 
農林水産大臣 - 園田博之 
経済産業大臣 - 額賀福志郎 
国土交通大臣 - 平沼赳夫(古賀君絡み) 
環境大臣 - 浜四津敏子公明党) 
内閣官房長官 - 町村信孝 
国家公安委員会委員長 - 中曽根弘文 
防衛庁長官 - 高村正彦 
内閣府特命担当大臣
 沖縄及び北方対策担当 - 麻生太郎(古賀君絡み) 
 金融担当 - 塩崎恭久 
旧大平派から「かつてのホープ谷垣禎一君に総務会長として党務で汗をかいてもらい、
旧福田派から政調会長衛藤晟一
田中派から幹事長は笹川堯君。
で、この結果、何が起きてしまうか?は史上初の首相経験者の衆議院議長就任で森喜朗衆議院議長の誕生
というのがアタシらの読みであった。今回、福田首班で総裁選立候補の麻生、額賀の両君をきちんと組み入れ、古賀、平沼、町村といった人も適材適所に置き、今回の福田首相担ぎ出しに最も暗躍の森さんを衆議院議長にする、と……見事、とつい自画自賛久間章生君の文科相だけは時節柄、今ではマズいが。強いていえば山拓さんが漏れていたが首相相談役だろう)。ただこれだけの、おそらくもう最後の最後「自民党の叡知」の人選だが残念なのは、いくらこれだけの布陣でも衆議院解散総選挙民主党躍進となった場合、この福田内閣が短命で終わってしまうこと。勿体ない。これに比べ、アタシらが今年8月に組閣の民主党連立政権
総理   菅直人(民主) 
官房長官 枝野幸男(民主)
外務   加藤紘一(自民新党)
財務   岡田克也(民主)
経済産業 亀井静香国民新党
厚生労働 長妻昭(民主)
法務   福島瑞穂(社民)
総務   田中康夫新党日本参院
防衛   山崎拓(自民新党)
文部科学 内田樹(民間)
農林水産 山田正彦(民主)
国土交通 馬淵澄夫(民主)
環境   金田誠一(民主)
国家公安 河村たかし(民主)
沖縄   糸数慶子(沖縄社会大衆・参院
北方   鈴木宗男新党大地
金融担当 榊原英資(民間)
女性担当 岡崎トミ子(民主・参院
格差担当 喜納昌吉(民主・参院
文化庁長官 平田オリザ
教育問題担当首相補佐官 保坂展人
で、民主党総裁 小澤一郎  菅先生に首相の座を譲ることで党総裁とし てゴッドファーザー
  民主党代表 鳩山由紀夫 民主党大幹部だが今一つ役割はっきりせず 表向き「代表」スポークスマン的役割
衆議院議長 渡部恒三
も面白くはあるが、それにしても福田ベスト内閣は短命はもったいない。そこで、とアタシが考えたのは「安倍政権はなかったことにする」こと。自民党にとっても党史に残る、どころか「解党につながりかねない致命傷」に至った安倍政権。選んでしまった自民党の諸君にその責任はあるが、酷かったものの1年に満たぬ短命。で「なかったことにする」。安倍政権ばかりか、この1年の間の法改正とかもぜんぶ御破算に。「教育基本法、教育関連法案の改正はなかった」し一連の大臣らの不祥事も「なかったことに」……ただ自殺した大臣だけは浮かばれないが。「なかったことにする」のは日本の美徳、これぞ「美しい日本」そのもの。で小泉三世から首相の座を禅譲受けた福田さんがこの組閣をした、ということでしばらくは自民党に最後のチャンスを与えましょう、と。で民主党もその間に政権党となる準備をきちんと整え、あえて互角の勝負で総選挙、とか。そんなのは自民党に甘すぎる、という嫌いもあり。だが自民党ベスト内閣もやっぱり「腐っても鯛」で立派。民主党連立も個性派揃いで面白そう。うーん、どっちにしようかねぇ、と国民の立場で悩めるなら幸甚。今の状況では「自民党が最悪」だからの否定で民主党を選ぶ、ってな感じであるし、実は自民党以上に「レンジの広い」今の民主党に見えぬ部分少なからず。
▼なんだか最近流行りらしい「山手線占い」。アタシがやってみたら池袋駅。ほがらかな外見で親しみやすいが、実は気性が非常に激しく、怒ると猛獣ランクの人。頭が良く真面目だが、信念は決して曲げないので、主張を通す押しの強さも天下一品。友人にはとても親切だが、人に頭を下げるのは苦手。マニア受けする強烈なクセのあるタイプだ。決めたことにはとことんのめりこむので、バクチなど破滅系には要注意。……と。

富柏村サイト http://www.fookpaktsuen.com/
富柏村写真画像 http://www.flickr.com/photos/48431806@N00/