富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-09-10

九月十日(月)未明に雨歇む。夜明けに起き風呂。朝食済ませ風呂。乗合バスで新島々。松本電鉄の電車で松本。長野よりいつも香港での競馬でお会いするI氏松本に仕事でいらっしゃりご一緒していただき蕎麦・野麦。箸で「救う」とぶつぶつと切れる繊細な蕎麦。蕎麦汁は濃いくち。アタシはわがままいえば昨日の浅田の蕎麦でこの濃いくちで食したい鴨。食後に珈琲まるもで珈琲とケーキ。母はI氏とは初対面。会うまえに気がねして「あたしは一人でもいいから」と言ったがI氏に会い、その人の人柄にご一緒して良かった、と。ほんとうに「いい人」はそうはいない。母と一旦わかれつらつらとZ嬢の買物に付き合いつつ、アタシは神経痛ひどく白骨温泉の硫黄泉でもいっこうに癒えず薬局で鎮痛剤購う。松本駅で待ち合せ午後二時前のスーパーあずさで一路、新宿。ようやく宮尾富美子『八百善』読了し新宿の直前で母に差し上げる(もともとZ嬢読了のもの)。新宿駅で母と別れZ嬢は買物へ。アタシは新宿駅東口地下のベルグに久が原のT君と待ち合せ寸暇を惜しみ一飲。祇園祭の伯牙山の厄除粽などいただく。ジュクの昔話など。熱海湯など今でも怪人二十面相が小林少年誘拐っても不思議でなし、とか物語す。T君に新宿地下街のフィールドワーク誘われちょいと歩き雑用済ませ自動車雇い小雨のなか靖国通り抜け駿河台の山の上ホテルに投宿。このホテルも若衆がほんとうに清々しく働く態、好感もてる。601号室、は5階から狭い階段上った隠れ家の如き客室。別名、モーツァルト。旧館の時計塔の尖部の如き部屋で、マランツのアンプ、AuraのCDプレーヤーにTannoyのスピーカー鎮座おすましモーツァルトには失礼だが松本で購いしショスタコービッチの5番から聴く。続いてバッハのマタイ受難曲少し聴いて、ホテルの「山の上」で天ぷら食す。数年前ぶりだが、当時とはまたかなり違う、さっぱり、かぎりなくさっぱりの天ぷら。江戸の人がこれを食べたら天ぷらとは思わぬくらい。近代の天ぷら。これくらいさっぱりだとアタシは天つゆも塩も要らぬ。酒は出羽の上喜元。食後にホテル内のバー・ノンノンに一飲。ここのバーテンダーの精進ぶりも見事。一切余計なこともせず余計な口もきかず。部屋に戻り小澤征爾の水戸室内管弦団のモーツァルトのCDを大音量で聞く。屋根裏部屋なので一切、近隣などないからお構えなし。気楽な部屋。アタシはモーツァルトは嫌い、と思うがやっぱり天才とつくづく、つくずく思う。

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