富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-09-06

九月六日(木)朝八時にZ嬢と香港空港。空港先の展覧会場で大型のコンファレンスか何かあり(確かWorld Property Summitだが昨日開始と新聞にあり、これか?)Airport Expressが満員で立席の客で混雑は初めて。香港では参加者がジャケット着用というのも珍しいもの。キャセイパシフィック航空のラウンジで朝食。CX450便は台北経由。台北での45分だかの駐機時間含め成田まで6時間要すが今日はZ嬢とアタシも実家にそれぞれ帰るだけで何ら帰邦急ぐ用事もなく、それなら機内でのんびり寛いでいませう、とわざわざ台北経由。座席は香港〜台北台北〜成田も二階席の81のA、Cで而も空席も目立ち快適。客が少ないとスチュワーデス諸君もサービスに余裕ありで客も楽。台北蒋介石ぢゃなかった台北桃園空港着。機外に出ても良い、とはアナウンスするがラウンジご利用できます、とはいつも説明ない。が、30分ほどあるのでキャセイパシフィックのラウンジに行くとトランジットでもないのだがいつも「歓迎、歓迎」で、好物の牛肉麺食す。関東地方に台風9号近づき「台北まで来たら、今日は欠航で台北ステイもいい」と願っていたが予定通り一路、成田へ。キャセイパシフィック航空の機内での葡萄酒の銘柄はもう3年近く変化なし。ただ03年の若かった葡萄酒が今では飲み頃に(笑)。ただ客もうんざりとわかっているのか一銘柄、このシーズンのお勧め、があり今回は智利はLarocheのVina Punto AltoのCab Sauvの05年。けっこうアタシの好きな風味で思わず暇そうなスッチーに勧められるままもう一杯、それじゃもう一杯で機内食牛皿をアテに気持ち良く飲み、さすがに今朝は深更からの三時間睡眠で起きたものだから酔った勢いで熟睡。房総沖で「成田空港周辺が天候不良」で30分ほど旋回し多少揺れながら成田着。入管が手際よくなったのに比べ税関は「申告なし」でも通関カード全員に書かせる愚策、暴挙に驚く。こんな措置、世界でも珍しい。カードに職業欄あり。なぜ職業が通関の際に問われるのか。意味不明。これも珍しい。意識的に無記入。どうせならレゲエミュージシャンやサーファー、いや「菌類研究家」とか「麻織職人」とか書いたら面白い鴨。通関の「ご旅行ですか〜?」の愚問もじつはあの会話で「怪しい旅行者」を釣るのだそう。だが、あの「どちらから?」「何日くらい?」などやってるヒマがあるのならラゲージの半券と荷物確かめでもしたほうが荷物の受け取り間違いや窃盗の防止に役に立つ。Z嬢と別れ45分ほどで郷里に向う高速バスあり。空港(第二ターミナル)の到着口付近でWi-hiに接続して急ぎのメールなど打っていたらハエが多いのに閉口。ほんとに二三匹どころか群衆。テロ対策よりハエ対策すべし。今どきハエの多い空港も珍しい。空港内に近隣で収穫された有機野菜の販売所あり。これも世界的に珍しい。成田空港は「世界でも珍しいもの」沢山あり。いつも驚きの連続。中国なんかよりずっとミラクルワールドなり。お通夜の如く乗客の静かな特急バスに2時間乗れば降車してすぐ自宅。便利至極。帰宅して父の三回忌以来半年ぶりに会った母が素麺茹でてくれさっと食す。半年の間に注文して届いていた書籍の片づけ、と思ったが母が書籍ばかりか映画『薔薇の葬列』のDVDから銀座トラヤから届いたパナマ帽まで全て開梱し整理済み、あとは段ボールに詰めるのみで忝ない。すでに入手、読了の本の注文の重複三冊もあり我ながら唖然。Amazonなど通販、返本出来るだけ幸い。テレビつけると百年一日の如く美味いラーメン屋番組。深更にまだ起きていた母とちょっと飲もうか、と母が出してきた白葡萄酒は伊太利はBertaniの白葡萄酒Le Laveで日本ではポピュラーなものだろうが風味があるなぁと思ったら1996年。ガルガーネガ(葡萄品種)はこだわるときっと面白いだろう。二人で四方山話してさらっと一本飲んでしまった。成田についてから雨に遭わずにいたが三更には台風が関東地方上陸の由。深更大雨。雨戸閉める。昔の家でたかだか板戸ながら雨戸閉めることでだいぶ台風の「せめて怖さも減る」と思うと雨戸一枚も日本が南方からの風土にあって雨戸も大切とつくづく感じ入る。本日は機中、車中、宮尾富美子の『菊亭八百善の人々』少し読む。宮尾富美子のまさに「語り」がアタシは好きだ。
▼機内で読んだ月刊信報九月号に日本への長期的投資の否定的展望あり。老化。通常、先進国での少子化、老化による人口伸び悩みでとくに労働力確保は移民受け入れで賄われるが、日本の場合、居住者のうち外国人の占める割合は1.3%と先進国中で最も低く、帰化した市民(本人自身の帰化、親の代での帰化は含まず)もカナダが人口100万人中6,542人なのに対して日本はわずか118名。当然このまま老化、少子化が進み「移民拒否」続ければ日本経済の活力、競争力が落ちるであろう、と。南無阿弥。

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