富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-08-06

八月六日(月)天候不良。朝は小雨のあと曇る。昼は中環の陳成記に牛?伊麺。Rolexで腕時計の修理出来、受領。中環は(先週だったようだが)埋立反対派が座り込み続けていたQueen's Pierも立ち入り禁止となり着々と埋立工事稼働。ジムで久々に一時間の有酸素運動。中環で写真の現像受領したり久々にFCCで喉が渇きジントニック二杯。HMWに寄る。というのも昨晩、松本人志の映画『大日本人』観ていて松ちゃん演じる大佐藤の、変身せぬ市井の風貌だ誰かに似ている……と思えばジャコ=パストリアス。そのJaco Pastoriusも9月21日で亡くなって20年。高校の時にベース奏でていたK君にWeather Reportを教えられ18の時にK君となけなしのカネはたいてJaco Pastorius Big Bandを武道館の1列目で観たあの日がほんの数日前の如し。ジャコのビッグバンドは仙台にも巡業ありホテル仙台プラザ横のラーメン屋でジャコは飲んだくれ。ジャコの市販のCDはそのほとんどを持っているつもりでいたが昨日のSCMP紙のCD評でジャコ逝去20周年取り上げられ、そこで推奨されるは1979年の玖馬ハバナでの実況録音盤でTony WilliamsのドラムとJohn McLaughinのギターでトリオによる“Trio of Doom”というアルバム。今日、中環のHMWに寄るとこのCDがあり、これを購う。Tony Williamsもすでに他界。他にコロムビアレコードのコルトレーンとマイルスの1955〜61年のベスト盤、バレンボイムのベートーベンのソナタ全集(EMI盤)とロストロポーヴィッチとピアノがルドルフ=ゼルキンブラームスチェロソナタも入手。夕方大雨。雷鳴轟く。晩はQuarry Bayの金峰??粥麺でテイクアウトの及第粥。昨日から読んでいたロラン=バルトの『映像の修辞学』(ちくま学芸文庫)読了。夜は雨が歇み飛行機が眺められるほど晴れたが夜半にまた本降り。
▼久が原のT君と何かの話から周恩来が若い頃に京劇で女形に挑みかなりの美貌だった話からT君が「周恩来の政岡、江青の八汐、毛沢東の栄御前で先代萩御殿が見てみたい」と。御意。で日中政治家文化交流の文士劇ならぬ「政客劇」で中国側が歌舞伎の先代萩に挑むなら日本側は返礼で舞台にかけるとしたら「貴妃酔酒」。日中国交回復で当時なら田中角栄玄宗皇帝か。だが楊貴妃演じられる女形はおらず。でキョービなら鳳千景先生に引退前、連立の形見の一世一代で楊貴妃玄宗皇帝は日中友好ならいっそのこと池田大作先生にお願いしては如何か、と。
▼ロラン=バルトの「写真のメッセージ」という文章の中でアンリ・カルティエ=ブレッソンの写真(リジューの信者たちがパチェリ枢機卿を迎える風景)を例にして
写真が絵画……すなわち《こね合わせた絵の具の厚みのなかで》意識的に処理されたコンポジションあるいは視覚的素材……になるのは、それ自身《芸術》を意味しようとする時か、あるいはふつう共示の他の手法が許す以上に精緻で複雑なシニフィエを押しつける時である。
と語っている。その精緻で複雑なシニフィエが計算されて生産されたものなのか、偶然の産物なのか、それがアタシにはわかららないが東京では折りから東京近代美術館で「アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌」展が開催中。香港には巡って来ないかしら。

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