富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

六月廿八日(木)早晩に湾仔で夕飯済ます必要あり。Stewart Rdで贔屓は泉記の魚蛋粉。だが不図「胃の調子も良いし」と泉記向いの再興焼臘飯店。夕方からは外買(テイクアウト)の客の行列絶えぬ繁盛ぶり。余は焼臘なら九龍ではPrince Edwardの永合隆、港島ではこの再興、鵝頸橋街市の恵記が格別と思うが再興に食すは何年ぶりか。少なくとも今世紀初。焼鵝飯と例湯。この店の焼臘、タレは最初から注がれず客は随意で卓上のタレを用ふ。例湯もこの上なく減塩で野菜の甘み。ゆゑに焼臘店とはいえ極めてあつさり。
▼アルベルト=フヒモーリ君参院選国民新党より立候補の由。元ペルー元首で汚職等容疑で本国が訴追中の容疑者が日本で本人不在のまま国政選挙立候補とは前代未聞。フヒモーリ君がそれほど日本にて庇護されるべき=庇護せざるを得ぬ理由とは何そ哉。この日本のフヒモーリ庇護の影に米国あり。米国といへば米下院外交委での対日非難決議。この決議、民主党多数派ゆゑの採択とされるが共和・民主の交替で対日政策がぎくしゃくするほど日米関係は甚だ脆弱。安倍三世「米議会の数数多ある決議の一つと理解」と逃げ口上。
朝日新聞の論壇時評。評者は杉田敦(法政大学)。「ナショナリズム グローバルな関係と本来性」の評は簡潔で見事。日本の戸籍制度と血統主義との実は矛盾、戸籍の擬制ぶり(早尾貴紀)。在日朝鮮人に対する潜在的差別の結果としての半島への帰国政策(テッサ森巣スズキ)などの紹介。ふと余がこの論壇時評読み出した頃の見田宗介氏の筆致彷彿。
▼信報に昨日に続き戴耀廷氏の香港憲政この十年に関する論評掲載あり。題して「反思未来十年憲政路向」。七つ目として挙げたのが「〇七〇八普選及第二次釈法」。董建華の行政手腕に見切りつけた北京中央は一連の香港経済救済の優遇政策など断行。その飴とムチで07年の行政長官、08年の立法会については基本法釈法権用いて普選実施の否定。この釈法は前回(内地出生子女の香港居留権と異なり)北京中央の独自の判断による釈法。八つ目は「董建華辞職及第三次釈法」。董建華の任期内の辞任に当り後任者の任期を董建華の残存任期とするか新に5年とするか釈法の結果、残存任期に。九つ目に「政改五号報告書遭否決」。民主派との関係正常化も期待されたSir Donaldが普通選挙実施の調整案提出を民主派否決。香港の政治環境での断層化更に明白に。最後が「第三回行政長官選挙」。提灯選挙でSir Donaldが当選。民主派の候補が間接選挙で百名の選挙人を得られただけでも「まだマシ」と評価もあり。

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