富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-05-20

五月二十日(日)未明に雨音に目覚める。早朝に馬鞍山にて8kmのロードレース開催あるが大雨に負けて(それ口実に?)行かず。昼にかけて九龍のジムで筋力運動と有酸素運動各一時間。無印良品で夏物のパジャマ購い帰宅。ゴルトベルグ変奏曲をグレン=グールドと高橋悠治であらためて聞き比べながらドライマティーニ飲みFar Eastern Economic Review誌4月号読む。Review欄で読売新聞刊の“WHO WAS RESPONSIBLE”取り上げられる。これは読売新聞が今年1月に大々的に特集組んだ「検証・戦争責任」の英語版に対して(評者はウォールストリートジャーナルの論壇副編集長のMelanie Kirkpatrick女史)。評者の指摘を一言で言えば、この読売の作業は日本の「国民のための」戦争の総括であって戦争という対外の武力行為についてその総括はされておらぬし“The Yomiuri doesn't examine what it was about Japan's political system that allowed World War II to happen.”と指摘。つまり読売の社を上げての戦争の総括が「一笑に付された」もの。つまり読売新聞が最大発行部数を誇る=日本国民が「嗤われた」ということ(朝日新聞くらいがこのFEER誌の書評を取上げればいいのに)。雑誌など読み続け昏時、Thomas Hardy's Ale 飲む。25年貯蔵のaleは、生きている。開栓しグラスに注いだ時は色も濁り鼻をつくにおいに一瞬閉口したが暫くすると多少薔薇色がかった琥珀色は美しく香りも芳しく何とも見事。晩飯でCh?teau CantemerleのセカンドのLes All?es de Cantemerle 01年飲む。美味。晩にシンガポールではシンガポール航空国際カップ開催。コスモバルクの二連覇に情緒的に期待して単勝、日本馬はもう一頭シャドウゲイト参戦で、その連複としたらシャドウゲイトが来てコスモバルク二着。結果、香港では配当がHK$226とまずまず。三連単コスモバルク軸にシャドウゲイト、他の馬はわからないので知ってる騎手でMarwin騎乗のOracle WestとFradd騎乗のSetembro Choveという馬に流したらSetembro Choveが4着であった。それにしても日本馬、絶好調。晩遅く新潮社「考える人」06年冬号の続き、で橋本治浄瑠璃を読もう」と小谷野敦「買春の日本史」の二篇読む。いずれも「濃い書き手」すぎる。橋本治は菅原伝授手習鑑を「これでも、か」と解説。たしかに白太夫にスポット当てたり、江戸時代の浄瑠璃作者の歴史の見方が歴史の事実を鵜呑みにせず、透徹した歴史を見る芽、歴史の主体的解釈、という指摘は面白いのだが……。これに続けて小矢谷敦を読んで寝入ったら、さすがに寝つき悪し(笑)。
▼数日前の信報が親中御用政党民建聯の馬力主席の六四「修正」発言について報道しているのを今になって読んだが、この六四見直し発言の何が発端だったかと言えば香港の愛国心教育について。馬力曰く「愛国心というのは街中で国歌が流れれば立ち止まり直立不動になるもので携帯電話すら通話止めるべき」と。土共・馬力にとっては愛国心というのは「この程度のもの」。タイ社会など理想的な愛国心を有する、と映るだろうが、ありゃ具体的に現国王への信奉であり(もちろん政府が国の統合のために「愛国心」用いてはいるが)、あれを欲するなら「愛される北京中央政府」を頂けばいいだけ、のこと。馬力にとっては愛国心とはその程度のもの。陶傑氏は今日の蘋果日報「星期天休息」(日曜の社説に代る陶傑氏による論説)で?小平の語った「愛国」の定義を用いているが、それによれば?小平の定義した愛国とは「只要擁護祖国的統一、只要尊重自己的民族」と、それだけ。馬力など土共の輩はこの?小平の爪の垢でも煎じて喫すべき哉。

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