富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

五月十八日(金)夕方、養和病院の眼科。左目の赤目鯛の如き充血三週間近く続き点眼薬つけ続け漸く快方に向うが両目とも疲労感甚だしく連日電脳見続ける事が如何に目に負担かと思いつつ致し方なし。あたしの視力は近眼は右が-4.75、左が-2.50で倍も違う所謂「ガチャ眼」で、そのうえ左目は乱視がひどく、最近はそこに老眼が忍び寄り、先日「メガネは顔の一部です、だから〜」の東京メガネ店で眼鏡誂えた折にこのガチャ目の乱視と老眼初期に合わせ全対応で、日本でいう視力0.8くらいに抑えた眼鏡にしており、これについては眼科の専門医からも年齢など考えるとじつに真っ当な着地点と指摘受ける(東京メガネが香港で地場の店より多少高くても納得)。0.8というのは映画の字幕がぎりぎり見えるくらいで芝居や舞台の鑑賞ではやはりつらいところ。ちょっと離れた人の顔は認識できず。不便は続く。昏時暴風雷雨襲う。灣仔鵝頸橋で薮用済ませた時でずぶ濡れ。時代広場のCitysuperでO'Hanlon's BreweryのThomas Hardy's Ale購う。もう一週間だか前の新聞に何十本だかCitysuper仕入れたと記事にあり。一瓶毎に製造番号の刻印された、25年も貯蔵された幻の麦酒はまだ残っているかしら、と思ったが、さすがに250mlで一瓶HK$65もする麦酒はそう簡単には売り切れぬようでまだ数本あり。まだ賞味期限までは10年くらいあろうはずだが香港ではとても寝かしてはおけぬ。帰宅してユニー……と言ってはいけぬ、改装後はApitaで鮪の解体即売あったようそうで、その中落ちで丼ぶり。NHKのNW9は、ちょうど番組開始10分前に逮捕されたという愛知県での立篭り犯が警察に護送されるところを30分以上!生中継。元妻人質にし駆けつけた警官が撃たれ重傷、それを救出しようとした機動隊員が撃たれ死亡、だそうだが犯人が捕まっただけで、これほど長々と報道すべきか疑問。現場からの記者の中継も「犯人が捕まった今も付近は騒然としています……」と始まったが「今では警察や機動隊もすべて撤収し、付近の住民も安堵の表情です」って、話がぜんぜん噛み合わず。実際に現場から300m以内の警戒地域となった住民にははなはだ迷惑な話しだろうが、付近の住民に取材しても昨日午後からのこの騒ぎに「不安ですね」以外、何ら答えなどないわけでニュース性などなく、いくら報道したところで、いくらキャスター柳沢某が焦ったところで、こういった事件=外道な男が元妻との復縁話のなかキレて弾きか刃物持ち出し暴れ籠城、殺傷事件となり……なんて江戸時代もあったろうし、22世紀になっても同じような事件はなくならぬ。江戸の頃ならこんな事件があるとマスコミのかわりに芝居の作家が面白可笑しく脚色して筋書き、芝居で上演されていたのだろうが。新聞も朝日で言えば、この「立篭り発砲」が一面トップで、安倍三世が今の国会で最重要法案の一つと位置づける教育関連法案改正の衆院の教育サイセイ特別委での可決=今日の衆院本会議も当然通過、など紙面の隅に追いやられる始末。この教育関連法案がこんな安易に改正されることのほうが、立篭りで発砲の組員の事件より、未来永劫ずっとあたしらの社会に大きな関係があるのだが、愛知の何処だかもわらかぬところの事件に大騒ぎすることの方にずっと関心ある社会。

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