富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

五月七日(月)快晴。気温摂氏31.2度。先月、北海道から東京に遊んだM君に銀座でライカ扱う店を教えてくれと請われ、その時に何か欲しいものはないか?と尋ねられ頼んだのがオムロンの万歩計。でヨドバシカメラで買って来てくれた万歩計を毎日つけては歩き「今日は運動したわけでもないのに○千歩歩いた」と一人満足していたのだが実は連日「しっかり歩き」モードでは0歩のまま。今日は敢えて万歩計を鞄につけておき、小まめに歩数を見てわかった結果といえば……今日の歩数は887歩。つまり朝、家を出てから帰宅するまで鞄を持っている、つまり本当に外を歩いていたのがわずかに887歩。しかも自宅から執務室のある御所まで御料車で移動の時に御料車とはいえ運行中の揺れで片道約70歩分は勝手にカウントされており、この往復を除くと747歩。しかも帰宅途中にジャスコ旭屋書店でアサヒカメラ五月号受取りでジャスコ内で約300歩歩いており、これを除くと自宅と御所の往復でつまり347歩しか歩いていない結果に。御所の中で万歩計をつけていれば日に二千歩くらいにはなるが、それも執務室での机仕事の合間にヒドロ虫類の研究のため研究室に往復する程度。香港は確かに日本に比べ交通機関が至便でエスカレータなども多く歩く距離が格段に少ないのだが自宅と御所往復ではわずかに300歩台とは甚だ運動不足と痛感。帰宅してドライマティーニ。薩摩は濱田酒造芋焼酎・兼重を飲みながらビビンバを食す。NHKのNW9でキャスター「会津の男」柳沢某はエキスポランドの事故に「また、あってはいけないことが」「新たな怒り」「憎んでも憎みきれない」と、この人は社会面的な事故となると本当に言葉が勢いづく。人生幸路師匠の「責任者、出て来いーっ!」を彷彿。この柳沢君の強硬な姿勢が国政やNHKへの政治家介入にも向いてくれればいいのだが。フランスではサルコジ氏が総統に当選。シラク総統が「志らく」「志楽」だったのでサルコジ氏は……と考えれば「猿故事」は親米派のお猿の話になってしまうし「沙流居士」では戒名になっちまうし「猿虎子」じゃ頭が猿の虎でなにが何だか……それにしてもフランス総統といえばミッテランのように社会主義者ながらフランス人の誰よりもフランス的には伝統的保守であり、シラクも下手な左翼より中道左派で対米外交の妙。それに比べると保守派で親米派、口を開けばフランス国内の治安の安定ぢゃ、あまりにも単純すぎ。晩にアサヒカメラ五月号読む。瀬戸正人氏の「薬師寺」は「写り過ぎだよ、こりゃ……」と思ったのも道理でHasselbladの500C/Mにデジタルパック付きぢゃ薬師如来様もちと恥ずかしそう。
▼来週末に小田原から山中湖まで第1回のOxfam Trailwalker Japanという催事あり。香港で社会事業としてすっかり定着のTrailwalkerの日本版。どこまでこの「個人参加のスポーツ」がコミュニティチェストとして理解されるか(基本的には「愛は地球を救う」で芸人が100kmマラソンするのと一緒なのだが)。で、これに出る奈良の友人が生駒山でトレイルの練習をしているというので万葉集
妹に逢はずあらばすべなみ岩根踏む生駒の山を越えてぞ我が来る
という歌を捩り
妻に逢はずあらばすべなみ岩にコケる生駒の山を越えてぞ我が来る
という歌を送ってふと思ったのだが「生駒山はそれほど険しいか」ということ。自動車で初めて奈良から大阪に抜ける「ちょっとした峠越え」で此処が生駒山と知り「嘘だろっ!」と思った、標高642mの山。坂東の筑波山のほうが887mでも平野にそびえるように見え東都からの眺めでも「高く険しく見える」。でなぜ生駒山が険しかったのか、という疑問。ふと思ったのは万葉の人々と我々の「山に対する感覚」の違い。今でこそ「登山」というスポーツがあり数千メートル級の山にわざわざ登るが、それも登山道だの整備されて、の話。万葉の昔、数千メートル級の高山は神や鬼の棲む聖なる場所。当時、奈良から難波津に抜ける生駒山こそ、人が越えるような山としてはかなり「難度が高い」山だったのぢゃなかしら。神や鬼にあわず、せいぜい天狗が里を見下ろしているくらいで。
▼青島?酒の「?酒豆」について早速、北京の畏友O君よりメールあり。嬉しく思う。青島?酒の「?酒豆」は青島ビール工場見学で無料試飲の時にもらえる
おつまみとの由。市販されていればいいのに。