富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-05-06

五月六日(日)ふと今日が母校の小学校の開校記念日であったこと数十年ぶりに思い出す。天皇誕生日からの大型連休があたしの小学校は更に一日長かった。Z嬢とちょっと山を歩こうか、という話になりバスで小西湾。かつての中華巴士の車庫がまだ残る。海沿いの小西湾運動場から小高い丘に上がり小一時間で海抜312mのPottinger Peakに至る。香港島など歩き尽くしたつもりでいても香港占領し初代総督となったPottinger将軍の名を冠るこの小山は初登頂。眼下にヴィクトリアハーバーから香港島東の外界、島南の石澳まで一望。香港島以東の頂ゆゑ先の大戦では日本軍の空襲に備えたかトーチカだの機銃砲など残る。少し薮漕ぎで下り石澳道に出で巴士で?箕灣。昼飯に東大街の安利魚蛋粉麺にて切?四寶粉。普通の潮州風の四寶粉に雲呑と更に美味な牛?入りなのだから多少の行列に並んでも食すだけ美味い。バスで中環。今晩、ホワイトアスパラが食べたいと思ったのだがすでに旬が済んだようで中環の街市にも一週間前にはあったホワイトアスパラはなく、Oliver'sだのCitysuperにも少し残ってはいるが萎びて食すに能わず。断念。Z嬢と別れ夕方、按摩。帰宅してドライマティーニ一杯。貰い物の豪州の赤の発泡酒あり、一見して甘そうで抜栓したら「やはり」で少しだけ飲み、生ハムとメロン、それにグリーンアスパラと馬鈴薯をオーブンで焼いて葡萄酒は豪州のCape MentelleのCab Sauvの04年。メインは長葱のキッシュ。今日はふと山への出がけに書棚から手にしたのが山村修氏の『気晴らしの発見』新潮文庫。しばらく前に購入していたが、今日この文庫本をバスの中などで読んでいると、てっきり山村さんのほんと「気晴らし」の随筆と思っていたが、これが実はストレスから不眠症となりコルステロール値をどうにか下げようという山村さんの涙ぐましい日々の記録。ただ闘病記ではなくストレスから来る不眠やさまざまな症状をどう癒すか、その癒しに格好の書物や散歩、食事といった「気晴らし」の大切さを語る、優れた随筆なのだが。この本、とくに山村さんが突然、不眠に陥ったところの不安から、ストレスを発見したハンス=セリエ博士の話、多田道太郎の北京で女医にキンタマを握られた話、そしてライナス=ボーリング博士の話など、これが興味深い話が鏤められていて面白い。自分もふと四月下旬のかなり深刻であった胃痛や、まだ治癒もほど遠き左目の充血と不快感、これもセリエ博士の所謂の「まさに病気である症候群」なのかしら、と妙に納得。それにしても偶然に自分がそういう体調の不適応の時期にふと書棚から手にした文庫本がまさに「症状に適応していた」偶然が面白い。
▼数日前だが中国の青島?酒が副産品として出している「?酒豆」の小さいパック入り1袋をいただく。これが美味。サイトで見てもさすがに、ずらりと並ぶ各種ビールの「産品系列」にこの豆菓子は出てもおらぬのだが、美味い。どこかで入手できるのかしら。

富柏村サイト http://www.fookpaktsuen.com/
富柏村写真画像 http://www.flickr.com/photos/48431806@N00/