富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-04-25

四月廿五日(水)中環の香港赤十字の捐血中心にて三ヶ月に一度の習慣としての献血。香港の献血センターで献血中に槙原敬之の歌が「ぼくはキミの前ではぁ何も言えないけど〜」だかとBGMで流れている。ちょっと血圧が下がる。東京から旧知の元編集者でライターのK氏。来港早晩に外国人記者倶楽部のバーで旧友のカメラマンM氏とK氏とでハッピーアワーで鼎談。Z嬢も来て軽く夕食。晩に尖沙咀の文化中心で台湾の雲門舞集(Cloud Gate Dance Theatre of Taiwan)の香港公演あり参観。今日の演目は「白蛇傳與雲門精華」と題して林懐民氏が雲門舞集を始めた1972年から3年後の作品である「白蛇傳」など人気演目集める。白蛇傳はちょっと今の雲門の演出とは違う支那趣味の「白蛇傳」という演題通り京劇モチーフにした舞踏。これに続き1986年の台湾歌謡「煙酒歌」用いた軽快な踊り、紅楼夢から「春」と三本続き前半終了。後半はバッハの無伴奏チェロ組曲による「水月」は5番ハ短調アルマンドによる群舞、3番ハ長調サラバンドによる男女二組、そして四番変ホ長調のプレリュードで?珮華による独舞が印象的。最後は台湾民歌の御大「陳達」の歌う「思思起」を導入に先祖が台湾海峡渡った当時をモチーフにしたという(だが、どうしてもキョービ的には中国という巨大な波に挑む台湾と思えてしまうのだが)「渡海」。洗練、禁欲さ、けして食傷を感じさせぬ情熱といった点で林懐民というこの舞踏団の主催者であり演出家の凄さにいつもながら敬服するばかり。舞者が本当にこの林懐民の下にあることで醸し出す美しさ。ここを離れたら、その舞者がまるで羽根を?がれたように何もなくなってしまうのかしら。

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