富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-03-27

三月廿七日(水)尖沙咀は宣昌街に沙龍撮影器材というカメラ店あり。Ashley Rdに行く横丁なので時々通るのだが一見して問屋。小売とも書いてあるが客がいたためしもない。商品も箱のまま。ライカとかハッセルブラッドまで扱っているようで、おそらく、の推測だが尖沙咀に星の数ほどある、少なくとも「源記」系茶餐庁より数の多いカメラ屋にとって高価なカメラの在庫維持は難あり、この問屋はそういったカメラ店に急ぎ出出来マスなのかしら(当初、バッタ屋か、と思ったこともあったが)。Ashley Rdの京笹でZ嬢と待ち合せ晩飯。香港映画祭、というと京笹、がもう何年も続く。中落ち丼。文化中心で映画祭の重点上映作品となった『武士の一分』(監督:山田洋次、06年)を見る。木村拓哉が出てきただけで喜ぶファン多し。V6の岡田君のファンほど一挙一動に大騒ぎせぬだけ、まだマシか。その木村拓哉君演じる三村新之丞の役がどうしても最近の山田洋次の時代劇だと真田広之にオーバーラップしてしまう。檀れい、こんな武士の妻が似合うとは……。この映画、何といっても笹野高史、といえば上海バンスキングだが、笹野高史の名演よりも、さらに感動したのはやはり緒形拳の道場主役での剣捌き。この監督の前作の『隠し剣 鬼の爪』では悪代官役で殺陣なかったが今回で久々に新国劇出身のこの人の剣捌きを見て、さすが。でもやっぱり藤澤周平原作の山田洋次の時代劇もまだ続くのかしら。寅さん、じゃないが、卯建の上がらぬ下級武士が実は剣に優れ、何かの遺恨で……と。
朝日新聞の調査によれば都知事選で「東京が大きく変わってほしい」と望む都民は初回調査では浅野史郎支持が石原慎太郎支持を上回ったが今回調査では石原支持が挽回。浅野候補の主張など聞くに従い官僚的な背景を感じ「これじゃ変わらない」でやっぱり石原、か。何か変わること期待した時に左翼的、革命的な社会改革ではなく明治の御一新同様にお上からの変革、ひどいと昭和はじめの昭和維新のように右翼的なファッショに走ったわけだが、石原に期待、もそれに近いもの、否、まさにそれ。

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