富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-03-25

三月廿五日(日)朝四時前に胃痛で目が覚めてしまい胃薬服してもまんじりともせぬまま夜明け。HK Distance Runners Club主催の第31回Mount Butler Race開催あり朝七時すぎにタクシーで黄泥涌水塘。もう何回目だろうか大潭に下りバトラー山の峠に上りSir Cesil Rideを走る約15kmほどのレース。坂道の登りは歩くに徹すと決めたが、さすがに体重は今朝で旧正月からわずか1ヶ月で4kg減は軽く感じて走っていても前方の三人を追い抜こう、と思うと瞬発がきくから面白い。昨年などの疲労感を思い出しつつ楽しく走り昨年より10分短縮で1時間40分ほどでゴール。一旦帰宅して昼にZ嬢とMandarin Oriental Hotelの(このホテルの改装昨年末に終わり初めて)Cafe Causetteに食す。かつてのG階のMandarin Cafeが中二階に移りこの食肆に。ベーカリーも。ようはG階はブティックなどの賃貸でショバ代稼ぎ自店の飲食業は中二階でいいでしょう、という算段。メニューに海南鶏飯あり。もう二、三年前だか改装前のMandarin Cafeで悲しいほど不味い海南鶏飯出されこのホテルの嘗ての美味なる海南鶏飯思うと涙出るほどの失望トラウマとなり今日も怖くて注文できず。白葡萄酒はグラスで伊太利のSolaiaの02年。サラダ食し余は白葡萄酒と大蒜味のムール貝入りのパスタを注文。パスタは幼麺(linguine)とメニューにあり。但し出てきたのは明らかにスパゲッティ。美味ければいいがやはり海鮮であっさりと、でパスタが歯ごたえあるスパゲッティでは美味いはずもなく給仕に「これ、まちがってなぃけ?」と丁寧に尋ねると「linguineですが……っ申し訳ございません、これは明らかにスパゲッティッ!」と給仕低頭「すぐにお取り換えを」と。百歩譲って咄嗟にわかるだけまだキョービ許容すべきか。間違えは誰にでもあるが厨房でも料理人、料理長、給仕、給仕長……と誰かしら気づかぬものか。暫く待ってlinguineでパスタ供される。やはりこの店、Mandarin Cafeから何か「脇の甘さ」引摺っておらぬだろうか。先ほどのお詫びに、とデザートでチーズケーキ供される。これで今晩は夕食抜き決定。そうそう、昼食前にThe LandmarkのThree Sixty°という高級食材店に初めて、Z嬢に連れられて行く。商品の陳列に難有り、というZ嬢の指摘に納得。CitysuperのK氏ならきっと「バカじゃないの?、これ」と嗤うであろう、お願いだから点々バラバラはいいけど、家庭用品のパンパースの棚が酒売り場の隣、はやめていただきたいところ。これだけでOliversに軍配が上がろう、というもの。何を考えているのかしら……デリカシーの欠如甚だし。Z嬢と別れ尖沙咀に渡り午後、香港映画祭で“[http://www.hkiff.org.hk/eng/programme/show_detail.php?fi_id=270:title=This Film is not yet Rated]”(監督:Kirby Dick、米国、06年)看る。米国の「映倫」の凄まじさに対する非難のドキュメンタリーなのだが社会派にならず敢えて風刺的なのが見事。それにしても、やっぱり結局は基督教右派なのよね、問題は。終って旺角で映画『フリージア』(監督は熊切和嘉)を看る。申し訳ないけど駄作。仇討ち法成立、って言われてもねぇ。原作の漫画読んでないので何とも言えないが仇討ち法とか突然持ち出されても、着いていけましぇん。結局、主人公のオニイチャンが過去のトラウマから脱出できずに何人も仇討ちの助っ人で人を殺して、結局は「スパゲッティナポリタンで大嫌いだったタマネギとピーマンが食べられるようになっただけじゃないのよっ!」と「おすぎ」なら言うかしら。つまらない映画であった。銅鑼湾UAで『十三?泡桐』(監督:呂樂、中国、06年)看るつもりで行列に並んだが満席で通し券はアタクシの数人前で打ち止めで入場できず。過去四、五年、通し券で香港映画祭看て来て、確かに通し券は満席の場合入場お断りもあり、と書かれてはいるが実際に入場お断りされたのはこれが初めて。それほど人気の映画なのか、ただ銅鑼湾UAは気温摂氏25度で湿度高いなかTimes Squareの駐車場出口の横に並ばせるし映画館に映画祭の客を上げるのも面倒で実際に映画始まって10分ほどしてから通し券やプレスの客らに満席で入場できず、と告げるなど手筈甚だ悪し。久々にバーYでハイボール二杯。新参のバーテンダー氏なかなか丁寧なハイボールを供してくれる。少したまった新聞と雑誌『世界』四月号半分ほど読む(魚住昭『聞き書・村上正邦−日本政治右派の底流」という「余りに長すぎる」連載が「なんらかの事情で」休載)。浅野史郎氏の連載もこの号で終ることになっていたのね。都知事選、その時点で出馬の覚悟決めてたか。西松建設の戦争中の中国人強制連行についての最高裁判決に向けた記事興味深く読む。人権であるとか個人の尊厳であるとか「国際社会には、国家が自由に処分することができない利益がある」ということ、日本国憲法であるとかが普遍法であることの意義、それが自民党のオトーサンたちや石原慎太郎はどうでもいいけど最高裁の裁判官でどれくらい咀嚼できているのかしら。

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