富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-03-10

三月十日(土)昼まえに裏山を一時間ほど走る。先週の香港マラソン以来。走り出すと足が重い。走り終わるとかなり足が張った感じで夜になるほどひどくなる。晩にZ嬢とFCCで待ち合せ夕食。ポーランドショパンというウオツカ飲む。市大会堂でASGP(Asian Super Guitor Project)と題する渡辺香津美、韓国の李宇鎮(Jack Lee)と香港の包以正(Eugene Pao)という三人のギタリストにパーカッションはLewis Progasamで演奏会あり。三人ともほんとギターがお上手。当たり前か。でもこの三人がもしギター弾けなかったら「キャンディーズのファンだった若者がそのままオジサンになってしまった」みたいなそのへんに普通にいるオジサンみたいな風体で、三人ともほんとギターが弾けてよかったなぁと思う。知人のベーシストSteve U氏が会場で演奏後に言っていたがJack Leeが二人の先輩を前に遠慮していた気が確かにある。それにしてもギターが上手い。
▼東京都立高校の卒業式で来賓で呼ばれる教師OBなど選別(朝日)。都教育長が卒業式来賓について「校長が慎重に検討し適切に人選するよう指導」の結果、君が代斉唱での不起立などあろう左傾教員ら排除。久留米高校では04年まで務めた前校長は朝日新聞「私の視点」に東京都の教育行政の行きすぎ憂慮する文章など発表していたが歴代校長が招待されるなか現任校長より電話で不参加求められる。現任者は都教委の方針に従わない者を呼ぶことの問題あり、と説明。この異論排除をファシズムと云う。
赤瀬川原平『中古カメラの愉しみ 金属人類学入門』読了。1993〜95年、ちょうどレンジファインダーではContax G1が話題となった頃に赤瀬川氏が「日本カメラ」誌に連載のもの、の文庫本。アタシも中古で得たG1をしばらく使ってはいたが、どうも最後まで苦手だったのはファインダで、この本でも原平氏はG1で目の位置がちょっとズレた時のファインダの翳り、ファインダを覗く快感の物足りなさ、を挙げていて納得。いずれにせよ、カメラ好きには面白い一冊。当時の「日本新党」に対して「日本中古党」というカメラ好きによる政党(田中長徳党首)なんて話が面白い。選挙の応援にかけつけたのが「買い取りは信用できるプロにお任せください」のアローカメラの社長で「この人は選挙がよく似合う。好きそうだ。水を得た魚とはこのこと」と勝手な話だが、アローカメラの社長を(広告ででも)見たことある人なら抱腹絶倒。ほんと自民党で選挙戦術に長けたオトーサンのよう。カメラの簡単化でライカもストロボがポンッと出てくるとか駅のキヨスクやコンビニで売っている「使い捨てライカ」なんてのも赤瀬川先生は空想する。使い捨て、なのだがさすがにライカであるから外装は紙製でも一個5万円、ストロボつきだと7万円の使い捨てカメラ(笑)。「ニコンSが二〇台潜んでいる大井町」なんてエッセイも格別。

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