富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-03-08

三月八日(木)先考命日。三八とはじつに目出度き日となりぬ。先月三回忌の法要済む。余は華南のこの地にあり掃墓にも遠く先考の遺影に焼香のみ。寒さ続く。遺影はY女史が2003年の夏に撮りし父の笑顔。Y女史よりいただいたデジタル画像にはLeica M6TTLでレンズはノクティルックスの50mmでf1.4で1/60とあり。今となって意味わかる。母のメールによれば父を慕しんでいただき家にたくさんの花が届いた由。晩に帰宅して冬のあいだ蕾を少しずつ膨らませた蘭花が咲いたのを知る。懐中電灯と拡大鏡にてよくよく蘭花を眺むれば永井豪のデヴィルマン的な蘭花の容姿。
▼安倍三世の慰安婦発言がInt'l Herald Tribune紙でも大きく報道有り。安倍三世にとっては戦前からの「日本政府」については些かの否定的見解もまるで自らのアイデンティティ崩壊の危機につながるゆゑに直接的だか間接的だが慰安婦派遣に関して政府の関与の有無だか何だか知らぬがとにかく政府の直接的関与など否定せざるを得ず。ケツの穴いと小さき輩。
みすず書房よりリーヴァイス創業者と遠縁のレヴィ=ストロースの「神話論理」 Le cru et le cuit / Fu miel aux cenresがついに翻訳刊行の由。レヴィ=ストロースの『野生の思考』であるとか、よく意味もわからぬまま学生の頃に「読まなければいけない」感じで読んだものだが、もう「未開の神話の構造の話と現代との優劣のなさ」についてはもう食傷気味でもあり。だが何より驚くのは当時、すでに故人のように神聖化されていたレヴィ=ストロース自身が今でもまだ存命であること。串田孫一氏の詩を読んだ時にてっきり故人と信じきっていたのが串田氏が婦人雑誌のインタビューに現われていたのを見てかなり驚いたが。

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