富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-02-03

二月三日(土)晴。銅鑼湾の地下鉄站に「自称政治家」Sir Donald君の選挙広告あり。「我會做好??工」もいいが中環などにか巨大なビルボードまで出現した由。選挙の資金力だけでもSir Donald君自身の力量を超えている。広告看板に「1967年1月3日 二級行政主任」とあるのは、中学予科を終え一年だか二年だか医薬品のセールスに従事したSir Donald君がこの67年1月に政府の二級行政主任(中級公務員試験合格レベル)で香港政庁に召し抱えられたこと。それが本人の才覚と努力の結果だろうが政務官レベルに引き上げられ小役人があれよ、あれよという間に香港政庁の高級官僚となり棚牡丹で行政長官にまで成り上がった「香港の奇跡」。この季節、天気がいいと朝など思わぬ方向からの陽射しが街中に面白い光と影を投影。ビルが建てられたり壊されたりで見慣れた市街に突然、見たこともない光の空間が現われたり、金色や銀色の鏡張りのビルに反射した光が暗い日陰であるはずの路地を見事に照らしたり、面白い光景いくつも。昼前にFCCに寄る。窓辺にぼんやりとした光のなか読書。海南鶏飯。午後九龍に渡り諸用済ませ早晩、見事な夕焼けに驚かされながらタクシーで九龍城の波止場。フェリーで北角に渡る。晩にJardine's Lookout(渣甸山)の居民協会に昨年末開店の益新美食館。奈良よりAちゃん来港中でZ嬢とあたくし含め七名で会食。此処の場所、老舗の「翠亨邨」が閉業した跡というわけで益新も内装や什器などには極力カネをかけず、での開業は「やっぱりダメ」の場合のリスク回避だろうがかなりの盛況。旧知の総経理は「週末だから」と謙遜。銅鑼湾の利舞台の益新飯店が閉業してもう何年だろうか。復帰の料理長にも再会。久々にこの料理屋の名物であった焼鴨を頬張り感慨に咽ぶ。名物料理をかなり食し紹興酒二本飲んで「まじ?」の安値。店賃が抑えられているのかしら。客も、Happy Valleyに数年前、小さなビストロのような店を再開した時と同様、昔の常連客がちゃんと戻ってきているのがこの店らしい。十六夜の月を愛でる。銅鑼湾に出てPark Lane Hotelの最上階のバーで二次会。昼はだいぶよくなっていたが午後、高座で長い噺をした所為と晩に賑やかな中華料理屋での歓談ではすっかりまた喉が痛みガラガラ声。この晩餐で隣席になったプロカメラマンのY氏にレンジファインダーでのライカレンズについていくつかコツをお聞きする。聞いただけで、それに慣れるのはどれだけの時間がかかるか、は別として。

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